Press Release

標題:
「液化水素運搬船ガイドライン(第2.0版)」を発行
~設計審査、検査を通じて得られた知見を反映~

2023年9月1日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、「液化水素運搬船ガイドライン(第2.0版)」を発行しました。液化水素運搬船の安全性検討に必要な内容を網羅し、関連技術の開発に貢献します。

脱炭素社会におけるクリーンエネルギーとして期待される水素のサプライチェーン構築に向け、大規模かつ効率的な輸送を可能とする液化水素運搬船の開発が活発に進められています。

IMOでは、マイナス253度という極低温を維持しての液化ガス輸送に従事する液化水素運搬船の安全要件整備の検討が行われており、2016年には「液化水素ばら積み運送のための暫定勧告」*1が採択されました。2017年に公表した本会の「液化水素運搬船ガイドライン」は、この暫定勧告をベースに、関連する国際規格や本会の研究成果をふまえ、より具体的な要件を規定したものです。世界初となる液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」の設計審査および検査は、本ガイドラインを基に実施されています。

本会は、「すいそ ふろんてぃあ」への関与の他、開発中の液化水素運搬船コンセプトの審査を通じて得られた知見を反映し、第2.0版として、ガイドラインを更新しました。今回の改正では、個々の要件をより明確かつ合理的な内容に洗練させるとともに、附属書に、個別プロジェクトごとに要求されるリスク評価のプロセスの指針および潜在的な危険源への対策検討の指針を追加することで、ユーザーにとってより実用的なものとなっています。

本ガイドラインの規定する安全要件への適合に加え、追加された指針を参照し、リスクの評価と特定された危険源への対策を実施することで、液化水素運搬船の安全性が十分確保されると考えています。

本ガイドラインは、本会ウェブサイトのマイページのユーザー登録により、「ガイドライン」にてご覧いただけます。
https://www.classnk.or.jp/account/ja/Rules_Guidance/ssl/guidelines.aspx


以上

*1 MSC.420(97) INTERIM RECOMMENDATIONS FOR CARRIAGE OF LIQUEFIED HYDROGEN IN BULK

ClassNK - EOD

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