Press Release

標題:
超大型コンテナ船の構造信頼性向上(アレスト設計関連)に係る共同研究を開始

2015年2月19日

一般財団法人 日本海事協会(ClassNK)(会長:上田 德)は「超大型コンテナ船の構造信頼性向上(アレスト設計関連)に係る共同研究」を実施します。

国際船級協会連合(IACS)は2013年1月、大型コンテナ船の安全性向上を目的として、ぜい性亀裂(高速で伝播する不安定亀裂)が万一発生した場合に、これを停止させるためのアレスト設計に係るIACS統一規則を制定しました。

当該IACS統一規則では、大型コンテナ船の強力甲板部構造(図1参照)のうち、ハッチサイドコーミングウェブと強力甲板への使用が要求されるアレスト鋼板(ぜい性亀裂を停止させる鋼板)の要件として、板厚80mmまでの鋼板については要求アレスト性能(ぜい性亀裂を停止させる性能)が規定されていますが、板厚80mmを超える極厚鋼板の要求アレスト性能については規定されておらず、各船級協会の判断にゆだねられています。

一方、20,000TEUクラスの超大型コンテナ船の建造に伴い、今後、板厚80mmを超える極厚鋼板の利用拡大が見込まれます。本会は、業界における極厚鋼板の円滑な活用を見据え、板厚80mmを超える極厚鋼板に対する要求アレスト性能を明確化すべく、本共同研究を計画しました。さらに、本共同研究ではIACS統一規則に規定されるアレスト鋼板のアレスト性能を評価する方法をより明確にし、統一的な評価方法を確立することも研究の目的としています。

本共同研究は、本会の「業界要望による共同研究」のスキーム(*1)による研究支援に基づいて、一般社団法人日本溶接協会と本会との共同研究体制(委員長: 東京大学 粟飯原教授 / 委員: 学識経験者、国内の関連鉄鋼会社、造船会社、中立研究機関)により実施し、2016年中旬の完了を予定しています。

本会は、超大型コンテナ船の構造信頼性向上のため、より安全なアレスト設計の確立に努めるとともに、本共同研究により得られた成果を適宜公開し、IACS統一規則への反映にも努めてまいります。

*1:「業界要望による共同研究」スキームは、海事業界からの研究開発に関する要望を受け、ClassNKの資金的・技術的なサポートのもと、海事業界の発展に貢献する研究開発活動にClassNKと関係者が共に取り組む研究開発スキーム。

以上


この件に関するお問い合せ先:
一般財団法人日本海事協会
会長室
Tel: 03-5226-2047
e-mail: eod@classnk.or.jp

図1 大型コンテナ船の強力甲板部構造

ClassNK - EOD

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