Press Release

2015年11月5日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)(会長：上田　德)の中村靖副会長は、11月2日にシンガポールにて開催されたMaritime Energy Test Bed(METB、海事産業関連の試験施設)の開所式に出席しました。

METBは、シンガポールのNanyang Technological University(NTU、南洋工科大学)が、Singapore Maritime Institute (SMI)の支援を受け開設した、有害排気ガスの減少及び機関の運転効率向上に繋がる様々な技術の開発を目的とした試験施設です。同学内に設置されたMETBは、船舶用の主機関、補機、制御室などを有し、排気ガス浄化装置や代替燃料といった新技術を、実際のエンジンを用いて検証することが可能となります。今後、METBは産学の研究者や技術者に低廉な費用で開放されることになっており、新技術の実用化に向けた研究開発のプラットフォームとして機能することが期待されます。

METBに設置された主機は本会が提供したものであり、今後、株式会社MTIやNTU等と実施している、排気ガスの脱硫技術に関わる共同研究プロジェクトで使用する予定となっています。

式典に登壇した本会中村副会長は、海事産業における技術革新にMETBが果たす役割への期待と共に、シンガポールの産学界と、日本をはじめとしたグローバルなパートナーの連携を推進し、METBを活用した共同研究開発に本会が積極的に取り組んでいく旨を述べました。

また、本会は開所式の翌日11月3日には“Joint Industry Collaboration Projects at METB”と題したセミナーを開催し、150名を超える参加者を得ました。セミナーでは、開所式にも出席した本分野の第一人者により、業界が直面する諸問題とそのソリューションに関わる講演が行われました。セミナーの詳細は以下の通りです。
　　　　
Opening Address
一般財団法人 日本海事協会
代表理事　副会長　中村　靖

Establishment of METB and Future Developments
Assistant Professor, Nanyang Technological University
Jasmine Lam　氏

Key-Technology for Marine Natural Gas Engine Development
一般財団法人 日本海事協会
テクニカルアドバイザー
九州大学　大学院　総合理工学研究院
熱機関工学研究室　教授 高崎　講二　氏

Research Activities of LVK
Professor, Technical University Munich
Georg Wachtmeister　氏

AVL and Large Engine Trends
Deputy Vice President for Large Engines, AVL List GmbH
Andrei Ludu　氏

Wartsila Gas Engine Development & Methanol Adaptation
Program Manager　Fuel Flexibility, Research & Technology
Development Program, Wartsila
Kaj Portin　氏

Condition Base Maintenance for Marine Propulsion Plant, CMAXS Program
株式会社ディーゼルユナイテッド
技術部　次長　兼　低速エンジングループ　担当部長　藤井　幹　氏

Multi-Gas-Fuel Engine
ダイハツディーゼル株式会社
守山事業所　技術開発部 参事　小林　和之　氏

International Working Style from the View Point of the Japanese Shipowners’ Association Europe District Branch
一般社団法人　日本船主協会
欧州地区事務局　事務局長　川嶋　民夫　氏

Q&A session
一般財団法人 日本海事協会
テクニカルアドバイザー
九州大学　大学院　総合理工学研究院
熱機関工学研究室　教授 高崎　講二　氏

以上

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