Press Release

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「2020年からのSOx・PM規制強化に関するセミナー」を開催

2016年11月29日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、11月29日(火)、都内にて「2020年からのSOx・PM規制強化に関するセミナー」を約600名の来場を得て、開催しました。

2016年10月に開催された第70回海洋環境保護委員会(MEPC70) において、MARPOL条約附属書VIに定められたSOx・PM 規制強化の適用スケジュールに関する審議が行われました。その結果、排出規制海域(ECA)を除く全海域において使用される舶用燃料中硫黄分を、2020年1月1日より0.50%以下に制限することが決定されています。

セミナーの基調講演においては、MEPC70に参加した国土交通省海事局海洋・環境政策課の植村環境渉外室長より、MEPC70の審議内容が紹介されました。

続く講演では、2020年を適用開始としたMEPCの判断において参考とされた調査を実際に担当したオランダの調査機関CeDelftのFaber博士から2020年における世界の舶用燃料の需給バランス、同様に日本国内の需給動向について海上技術安全研究所の林研究員から詳細な説明がありました。本会からはLNG・メタノールなどの代替燃料の積極的な使用、EGCSなど排ガス後処理を利用した対応技術や、舶用機関側に必要とされる取り組みについての技術的な情報を提供しました。

パネルディスカッションにおいては、2020年の導入に向けて、規制の法的解釈から対応技術の選択などについて、幅広い観点から活発な討論が行われました。規制強化に対応するための要素技術は開発済みであるものの、船種、サイズ、寄港地など様々な要因に応じた適切な対応手段を選択の上、船上で安全かつ適切に運用していくことが肝要である、との意見が多く挙がりました。更に、今回の規制強化は海事関係者として環境改善に寄与できるものであり、一丸となって取り組むべきであるとの見解が共有され、セミナーは締めくくられました。

本会は、海事社会への貢献を果たすべく、今後もこの課題に全力を挙げて取り組む所存です。
 
2020年からのSOx・PM規制強化に関するセミナー概要

【基調講演】MEPC70 における船舶燃料油の硫黄分濃度規制の強化に関する審議結果の紹介
講演者:
国土交通省 海事局 海洋・環境政策課
環境渉外室長 植村 忠之 氏

【講演Ⅰ】 SOx・PM規制強化による環境改善効果と対応技術動向
講演者:
一般財団法人 日本海事協会 技術研究所 調査企画部 
特任検査員 華山 伸一

【講演Ⅱ】2020年における低硫黄燃料供給可能性プロジェクトの紹介
講演者:
IMO低硫黄燃料供給可能性プロジェクト コンソーシアム代表 CE Delft
Jasper Faber 博士

【講演Ⅲ】日本国内における低硫黄燃料供給の可能性
講演者:
国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所
海上技術安全研究所 環境・動力系 
研究員 林 利昭 氏

【講演Ⅳ】 低硫黄燃料を使用する機関側に必要とされる取り組み
講演者:
一般財団法人 日本海事協会 テクニカルアドバイザー 兼 
九州大学 大学院 総合理工学研究院 熱機関工学研究室 
教授 高崎 講二

【パネルディスカッション】
上記講演者及び
日本郵船株式会社 エネルギー輸送本部 燃料グループ
グループ長 篠崎 宏次 氏

株式会社商船三井 海上安全部 機関・保船グループ
グループリーダー 橋口 靖生 氏

川崎汽船株式会社 技術グループ 造船計画チーム
チーム長 山﨑 伸也 氏

以上

セミナーの様子

ClassNK - EOD

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