Press Release

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「液化水素運搬船ガイドライン」を発行

2017年3月29日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、液化水素運搬船の設計及び建造に関する安全要件をとりまとめた「液化水素運搬船ガイドライン」を発行しました。

地球温暖化防止のため、利用段階において二酸化炭素を排出しないエネルギー源である水素への注目が高まっています。水素は地球上に広く遍在し、水や化石燃料など様々な資源から製造が可能であるものの、水素社会の実現にあたっては、安価で環境負荷の低い方法で製造した水素を、安全かつ効率的に消費地へ供給するサプライチェーンの構築が不可欠となります。大量の水素を効率的に長距離輸送する手段として、液化した水素の船舶による運搬が有望視されており、関連技術の開発が進められています。

一方、マイナス253度という超低温を維持しての液化ガス輸送となる液化水素について、液化ガス運搬船の設計及び建造に関わる国際要件であるIGCコード(液化ガスのばら積運送のための船舶の構造及び設備に関する国際規則)では、対応する安全要件が現時点において規定されていません。液化水素輸送への関心を受け、IMOは2016年に開催された第97回海上安全委員会(MSC97)にてMSC.420(97) INTERIM RECOMMENDATIONS FOR CARRIAGE OF LIQUEFIED HYDROGEN IN BULK(液化水素運搬に関わる暫定勧告)を採択しています。

本会は液化水素運搬船のいち早い実現に寄与すべく、関係各位と協力し、安全確保に関わる調査研究を進めてまいりました。今般発行した「液化水素運搬船ガイドライン」は、IMO暫定勧告をベースに、各種国際規格における規定、本会の長いLNG船での経験に基づく知見やリスク評価結果を踏まえ、液化水素運搬船の設計及び建造に関するより具体的な安全要件を規定したものとなります。本会は液化水素運搬船の普及に向け、安全性に関わる基準提供をはじめとした取り組みを一層強化してまいります。

本ガイドラインは、本会ウェブサイト(URL:www.classnk.or.jp)にてマイページのユーザー登録をすることにより、マイページの「ガイドライン」のページでご覧いただけます。

以上

ClassNK - EOD

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