Press Release

標題:
IACS共通構造規則に対する初回のIMO GBS適合検証プロセスが完了

2017年6月7日、IMO第98回海上安全委員会(MSC98)が開催され、IACSのばら積貨物船及び油タンカーのための共通構造規則(Common Structural Rules for Bulk Carriers and Oil Tankers、以下CSR BC&OT)のIMO目標指向型新造船構造標準(GBS)への適合について、IMOから要請のあった是正処置が完了したことが確認されました。

GBSに適合する船級規則のベースとなるCSR BC&OTは、2016年のMSC96においてGBSへの適合が確認され、またMSC96時点でのCSR BC&OTに従って建造された船舶がGBS要件に適合していると判断すべきことが合意されました。一方、初回の適合検証プロセスとして、適合検証において指摘された不適合事項への是正処置が、IACS及びメンバー協会に対し要請されていました。今般のMSC98では、規則の一部改正を含むIACSの是正処置が完了したことが確認されたものとなります。IMOによる初回の適合検証プロセスの完了により、今後最新のCSR BC&OTに基づく船舶の設計・建造が加速することが想定されます。

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)が世界に先駆けて提供しているCSR-BC&OT対応の設計支援ソフトウェア“PrimeShip-HULL(HCSR)”は、IMOの要請に基づきIACSが緊急に一部改正したCSR BC& OTにも対応したバージョンを2017年2月にリリース済であり、最新規則に基づく船舶設計を強力に支援します。

PrimeShip-HULL(HCSR)は、規則算式での評価を行うための算式計算ソフトウェアとFE解析を用いた構造評価を行うための直接計算ソフトウェアで構成されています。算式計算ソフトウェアでは、船体横断面計算に特化し短時間で様々な試設計案を検討できる「初期設計機能」と、3次元モデルを用いて要求値の船長方向分布を考慮した部材分割が検討可能でFEモデルの幾何データとしても活用できる「基本設計機能」の2種類を提供しています。直接計算ソフトウェアは、商用の汎用プリポスト“HyperWorks”をプラットフォームとし、FEモデルの自動生成機能、規則要求を満足しない場合に補強案を提示する機能、全船のFEモデルから規則で要求される3ホールドモデルに自動分割し一括して解析評価を行う機能などを備えています。

算式計算及び直接計算ソフトウェア共に、CADモデルの有効活用、データ作成時の工数削減、また誤入力による後戻り設計を防止すべく、簡易な3次元構造データの作成に定評のある“NAPA Steel”を始めとした市販CADソフトウェアとの強力な連携機能を備えており、設計工数の削減に寄与します。

以上

算式計算ソフトウェア:初期設計機能/最終強度評価結果の一例
直接計算ソフトウェア:一括解析機能の一例

ClassNK - EOD

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