Press Release

標題:
国際航空分野のGHG排出量検証機関としての認定を取得

2020年2月6日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、2020年1月23日、国際民間航空機関(ICAO)*1による「国際民間航空のためのカーボン・オフセット及び削減(CORSIA)*2」スキームに基づくGHG排出量検証機関としての認定を、日本適合性認定協会(JAB)より取得しました。

世界的な地球温暖化対策は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)で議論されていますが、国境を越えて活動する国際航空分野のGHG排出対策は、UNFCCCにおける国別の削減対策の枠組みには馴染まないとして、ICAOに検討が委ねられてきました。ICAOは、国際民間航空からのCO2総排出量を2020年以降増加させない、との削減目標の下、市場メカニズムを活用したCO2排出削減スキームとして2016年にCORSIAを採択しています。

CORSIAのスキームにおいて航空会社には、国際線運航による燃料消費量データを収集し、CO2年間排出量を管轄当局へ報告することが2019年分より義務付けられます。排出量報告書は、データの正確性を保証するため、独立した第三者検証機関による検証が要求されています。

このような第三者検証機関は、ISO14065*3及びCORSIAの特別要件に基づく認定を取得する必要があります。本会は従来ISO14065を取得していましたが、今般JABによる拡大審査を経て、国内では初となるCORSIAスキームに基づく検証機関としての認定を受けました。

GHG排出量の把握及び第三者による検証は、気候変動対策の基礎となるものです。本会は航空分野と同様に国境を越えた活動である海運分野において、国際海事機関(IMO)*4が定めた「燃料消費実績の報告に関する規則(IMO DCS)」、地域規制である「燃費消費実績報告制度に関する欧州規則(EU MRV規則)」といったGHG排出量検証に従事しています。この他、「J-クレジット制度」*5など様々な制度に基づく検証に携わってきました。本会は、航空分野における検証機関としての認定の下、培った豊富な知見を横断的に活用し、陸・海・空の運輸モード全般における地球温暖化対策を国際的な第三者認証機関として支援することで、社会の持続可能性強化への貢献に努めてまいります。

以上

*1: International Civil Aviation Organization
*2: Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation
*3: 「温室効果ガス妥当性確認・検証機関の認定」に関わるISO規格
*4: International Maritime Organization (IMO)
*5: 省エネルギー機器の導入や森林経営などの取組による、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度

【一般財団法人日本海事協会について】
日本海事協会は1899年に創立され、海上における人命及び財産の安全並びに環境の保全等に資することを目的として、船舶の検査をはじめとした事業を独立した第三者認証機関として行っています。本会は120年間の歴史に渡り、船級協会として、船舶に関わる技術規則を制定の上、個別の船舶に対し当該規則に基づいた船体、機器、材料などに関わる図面審査及び立会検査を実施し、基準に適合した船舶に船級を付与しています。本会の船級を有する船舶の総計は約2億6,000万総トンで、国際航海に従事する商船のおよそ20%を占めています。また、本会は安全、環境汚染防止、保安、労働環境などに関わる国際条約や地域規制に基づき、船舶の船籍国(旗国)が行う検査及び証書発行の代行権限を100か国以上から付与されています。また、第三者認証機関として培った長年の知見と経験を活かし、本会はISO規格等に基づいた品質、環境、労働安全衛生など様々なマネジメントシステムや風力発電装置をはじめとする再生可能エネルギーに関わる認証サービスも世界各地に配置した約130の拠点を通じて提供し、経済・社会の発展への貢献に努めています。

ClassNK - EOD

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