Press Release

標題:
ClassNK、旭海運株式会社に対して二酸化炭素排出量の第三者検証を実施

2013年12月3日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)(会長:上田 德)は、旭海運株式会社に対して、同社所有の鉱石運搬船「GREAT SUNRISE」からの二酸化炭素排出量の第三者検証を実施しました。

旭海運株式会社は、鉱石運搬船「GREAT SUNRISE」のEEOI(*1)の算定に用いるデータを活用し、将来導入が検討されているEU(欧州連合)の温室効果ガス規制「EU MRV」(*2) の第10条で要求される二酸化炭素排出量に係る各種パラメータを試行的に算定し、算定報告書を作成しました。

本会は旭海運株式会社が作成した算定報告書に対し、ISO14064-3「温室効果ガスに関する主張の妥当性確認及び検証のための仕様並びに手引き」に従って第三者検証を実施し、検証声明書を発行しました。なお、この手引きに従った第三者検証は、本会として初めてとなります。

今般、検証声明書授与式を11月28日に本会本部(東京都千代田区)にて実施し、本会の冨士原康一副会長より旭海運株式会社の木村丈剛代表取締役社長に検証声明書を手交しました。

本会は今後もISO14001/50001に基づく環境エネルギーマネジメント、EEOIに基づくCO2排出量鑑定書、Clean Shipping IndexやCCWGに基づくエネルギー検証等の環境・エネルギー分野の各種サービスをワンストップで提供することで、世界の海運の発展に貢献致します。

*1: EEOI(Energy Efficiency Operational Indicator)
「エネルギー効率運航指標」と訳され、「1トンの貨物を1マイル運ぶのに実際に排出されたCO2グラム数」を示し、航海毎に常時変動する。自動車における運転時の実燃費に相当する。
船主や船舶管理会社は、以下の背景により、各船のEEOIの数値化に取り組んでいる。

1. 2011年に開催されたIMOの第62回海洋環境保護委員会(MEPC62)において、MARPOL条約ANNEX VIの改正が採択され、本年1月1日以降、現存船を含む全船に対しSEEMP(船舶エネルギー効率管理計画)の船上保持が義務付けられた。

2. このSEEMPに基づき、各船は運航上の工夫(減速運行、潮流や海象を考慮した最適なルート選定、適切なメンテナンスなど)によって船舶のエネルギー効率の向上が求められている。

3. 船主や船舶管理会社は、運航上の工夫によって向上した船舶のエネルギー効率をIMOガイドラインに基づきEEOIとして数値化する必要がある。

*2: EU(欧州連合)の温室効果ガス規制「EU MRV」
正式名称は、「Proposal for a REGULATION OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL on the monitoring, reporting and verification of carbon dioxide emissions from maritime transport and amending Regulation (EU) No 525/2013」。

本EU規制は、船舶から排出される温室効果ガスの削減の一環として、EU域内の港を利用する船舶から排出される二酸化炭素の排出量を収集し、公開する法的な仕組みとして本年6月に策定された。
本規制は、2018年1月1日よりEU域内の港を利用する5000GT以上の船舶に適応される予定で、これにより各船はEU当局に対し二酸化炭素排出量を報告する義務が生じる。同報告に際しては、第三者の検証が必要とされている。現時点において同規制は効力を発してはいない。

以上

この件に関するお問い合せ先:
一般財団法人 日本海事協会
認証サービス事業部 
Tel: 03-5226-2178
Fax: 03-5226-2179
E-mail: qad@classnk.or.jp

ClassNK - EOD

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