Press Release

標題:
会長新年メッセージ

2013 年の新春を迎え、謹んでご挨拶申し上げます。

2012 年の海事産業にはさまざまなニュースがありましたが、われわれ船級協会の業界におきましても年末に大きなニュースがありました。それは世界4 位の規模の船級協会であったノルウェー船級協会(DNV)が同5 位であったドイツ船級協会(GL)を吸収合併したというニュースです。GL は150 年以上の歴史を持つ伝統ある船級協会でしたが、より大きな組織にのみ込まれ消滅するという非常に厳しい現実を突き付けられました。

船級協会間の国際競争は今後ますます激しくなることは必至であり、本会におきましても決して安泰とは言いきれません。みなさまから選ばれる船級協会の地位を揺るぎないものとしていくことが重要であり、そのためにも顧客サービス、国際活動、研究開発などをさらに強化してまいります。

本会は 2012 年に海外検査拠点が100 箇所を突破しましたが、今年は南米、北アフリカ、欧州、黒海北部などでの新検査事務所設立を目指し、さらなるサービス網の拡充を図ってまいります。一方、船級協会にとって重要な旗国政府からの代行権限取得につきましても、本会は昨年末時点で106 カ国から代行権限を取得しております。特筆すべきものとしては、2011 年に米国、ノルウェー、2012 年にポルトガルと欧米主要国からも順調に代行権限を取得しており、今年もさらに欧米主要国を含めた国々からの代行権限取得を推進してまいります。

各国から代行権限を取得するということは、国際条約への対応に責任を持つということです。本会では発効が決まったGHG 削減のための条約やILO 海上労働条約(MLC2006)に加え、バラスト水管理条約およびシップリサイクル条約などの新条約に本会の検査員がしっかり対応できる体制を整備してまいります。更にお客様がスムーズに新条約に移行できるよう最新情報の発信を行ってまいります。この情報発信の手段の一つとして、国内外での技術セミナー、ClassNK アカデミー(*1)およびClassNK PrimeManagement(*2)セミナーなどを積極的に展開してまいります。

本会は海事産業への貢献を目的として広く業界の要望に応えた共同研究開発を積極的に推進しており、本年も引き続き推進してまいります。

具体的には、船舶の性能向上に加え環境や資源エネルギー分野の研究開発にも焦点をあててまいります。また、業界の要望に柔軟に対応するため、新しい事業である省エネ運航支援システムへの開発参画、風力発電設備への認証サービス、新規マネジメントシステムや海技教育への認証サービスなどについても推進してまいります。

本会は世界の船級協会として日本を始め海事産業全体の発展に寄与するため役職員一同全力で取り組んでまいりますので、本年もどうぞ変わらぬご支援の程宜しくお願い申し上げます。

以上

(*1)ClassNK アカデミー・・・船舶の検査や船舶管理システムの審査の実施により培った知見を活用し、海事産業に携わる方々が業務で必要とされる基本的知識を習得していただくための講習会。
(*2) ClassNK PrimeManagement・・・「環境・品質・安全」、「海技教育訓練」及び「労働条件」の3 つの分野に関する包括的な認証サービスの総称。

この件に関するお問い合せ先:
一般財団法人 日本海事協会 会長室
Tel: 03-5226-2047
Fax: 03-5226-2034
E-mail: eod@classnk.or.jp

ClassNK - EOD

ポップアップウィンドウを閉じるボタン