Press Release

標題:
ClassNK、「業界要望による共同研究」で開発された新溶接材料を認定

2014年4月17日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)(会長:上田 德)は、株式会社神戸製鋼所製“MX-200F”をすみ肉用溶接材料として新たに認定しました。この新しい溶接材料“MX-200F”は、本会の「業界要望による共同研究」スキームを通じて、本会、株式会社神戸製鋼所及び株式会社新来島どっくによる研究成果をベースとして開発されました。

MX-200Fの特長は、従来のすみ肉用溶接材料では実現が困難な、1回の溶接操作(1パス)での8mm程度の大脚長溶接と良好な溶接ビード外観形状とを両立させたことです。

近年、IACS共通構造規則(CSR)(*1)による船体構造部材の板厚増加に伴い、部材によっては必要溶接脚長が1パス施工の6mmから2パス施工の8mmに増加しています。これにより、溶接施工工数の増大が懸念されており、さらに、IMO塗装性能基準(PSPC)(*2)による規定膜厚を確保すべく、すみ肉溶接ビードの止端部形状の改善も望まれています。

この状況を受け、本会、株式会社神戸製鋼所及び株式会社新来島どっくは、本会の「業界要望による共同研究」スキームを通じて、溶接ビード形状と塗装膜厚との関連性を研究しました。この研究成果を基に、溶接材料MX-200Fが、1パス8mm程度の大脚長溶接で良好なビード外観形状が得られるすみ肉用溶接材料として新たに開発されました。

共同研究完了後、MX-200Fは、本会の鋼船規則に規定する試験に合格し、本会の認定を取得しました。当該溶接材料を適用することにより、溶接施工能率の改善や塗装品質の向上が見込まれます。

本会は、必要な技術支援を通じて、今後も新技術の実用化と海事産業の発展に貢献してまいります。

*1 船の長さが90m以上のばら積貨物船及び長さが150m以上の二重船殻油タンカーに対するIACS(国際船級協会連合)の共通構造規則
*2: 総トン数500トン以上の船舶のバラストタンク及び長さ150m以上のばら積貨物船の二重船側部に対するIMO(国際海事機関)の塗装性能基準

以上

本件に関するお問い合せ先:
一般財団法人日本海事協会
材料艤装部
Tel: 03-5226-2020
E-mail: eqd@classnk.or.jp

ClassNK - EOD

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