Press Release

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日本郵船による新造多目的コンテナ船の3D基本設計図面を承認 ~船級承認を含む基本設計プロセスを3Dのみで完了、外航船として世界初の事例~

2024年3月28日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、日本郵船株式会社が3Dモデルを用いて開発した新造多目的コンテナ船の基本設計図面を承認しました。新造船建造の初期段階であるコンセプト設計や基本構造設計の段階から、船級承認を含む船舶の基本設計プロセスを3D図面のみで完了したのは外航船として世界初の事例です(日本郵船、本会調べ、2024年3月28日現在)。

造船所、船主、船級協会間の設計情報の共有は従来2D図面ベースで行われており、造船所が作成した3Dモデルを承認の作業のために2D図面に変換する必要があります。また、船級協会の船体構造設計支援システムへの図面データの入力、設計者側でのモデル修正に伴い、双方に時間とコストが発生することが問題として指摘されています。さらに、複雑な2D図面を正確に把握するためには長年の経験と専門知識が必要となり、関係者間の情報共有の精度が担当者に依存することが課題となっています。

本会は、これらの認識を日本郵船と共有の下、同社による新造船設計において、共同で3Dモデルの活用拡大に向けたプロジェクトを進めてきました。同社が船舶設計用の3D CADシステム*1上で作成した3Dモデルデータを、本会のPrimeShip-HULL*2上の連携システムを活用し、異なるツール上でも同じ設計データを用いることで、2D図面への変換を経ることなく、基本設計段階の全ての図面承認を完了しました。

本会は、3D図面承認スキームの標準化を進め、船舶設計におけるデジタル化や先進的な取り組みの支援に努めてまいります。

以上

*1 Computer Aided Designの略で、コンピューターを使用して設計するためのソフトやシステムのこと

*2 本会が提供する船体構造設計支援システム。なお、本会では3D設計システムとPrimeShip-HULLのデータ連携を順次強化するとともに、業界関係者と協業を通じ、図面承認を含めた3Dモデルによる船舶設計の高度化への検討を従来行ってきました


3D図面イメージ(提供:日本郵船)

ClassNK - EOD

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