Press Release

標題:
水素燃料エンジン対応の白油タンカーに対しAiPを発行
~水素燃料船の安全要件を定めた代替燃料船ガイドラインD部を初適用~

2024年6月19日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、上野トランステック株式会社、ヤンマーパワーテクノロジー株式会社、三井E&S造船株式会社が共同で開発した水素燃料エンジン対応のハイブリッド電気推進5000KL型白油タンカーに対し、基本設計承認(AiP)を発行しました。オイルタンカーで液化水素を燃料とする設計に対するAiP発行は世界初となります。

本船舶は、公益財団法人日本財団の助成事業である「水素エンジン大型内航タンカー開発とゼロエミッション船実証」の一環で設計されました。

本会は、本船の設計コンセプトに対し、IGFコードを取り入れた鋼船規則GF編、「代替燃料船ガイドライン - D部 水素を燃料として使用する船舶の安全に関するガイドライン(3.0.0版)」、および「燃料電池搭載船ガイドライン(2.0版)」に基づく審査を行い、所定の要件への適合を確認したことから、AiPを発行しました。2024年5月に発行した代替燃料船ガイドラインD部*1に基づく審査を経て発行された初めてのAiPとなります。

本プロジェクトのさらなる検討に対し、本会も安全性を評価する立場からの貢献を進め、海運の脱炭素化への支援に努めてまいります。

以上

*1 関連プレスリリース:「代替燃料船ガイドライン(第3.0版)」を発行 ~水素燃料船の安全要件を追加~
https://www.classnk.or.jp/hp/ja/hp_news.aspx?id=11502&type=press_release&layout=1
AiP授与式写真

左より:
公益財団法人日本財団 海洋事業部 海洋船舶チーム チームリーダー 桔梗 哲也 様
一般財団法人日本海事協会 常務理事 技術本部長 松永 昌樹
上野トランステック株式会社 代表取締役社長COO 上野 元 様
ヤンマーパワーテクノロジー株式会社 特機事業部 舶用営業部 執行役員 部長 冨田 晃広 様
三井E&S造船株式会社 代表取締役社長 小葉竹 泰則 様



基本設計承認(Approval in Principle: AiP)について:
設計初期の段階あるいは特定の実装対象船舶が決定する前の段階で、国際条約や船級規則など既存の規制に基づき、設計を審査し、要件への適合の証明として発行する。後工程における規制面の手戻りの防止や、船級登録時の審査時間の短縮につながるとともに、設計状況の対外的なアピールの技術的根拠として活用することが可能となる。詳細は本会ウェブサイト参照

ClassNK - EOD

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