Press Release

標題:
調和CSR対応ソフトにおけるNAPAとの連携強化を発表

2014年12月5日

一般財団法人 日本海事協会(ClassNK)(会長: 上田 德)は、IACS調和CSRに対応したソフトウェア「PrimeShip-HULL(HCSR)」とNAPA社による「NAPA Steel」との連携強化に関わる開発計画を発表しました。

本会は、世界初となる調和CSRに対応したソフトウェア「PrimeShip-HULL(HCSR)」を発表し、広く国内外の造船設計者へ提供しています。算式計算ソフトウェアと直接計算ソフトウェアで構成される「PrimeShip-HULL(HCSR)」は、単なる強度評価ツールにとどまらず、設計支援ツールとしての豊富な機能を実装しており、調和CSRにおける設計工数の削減、構造の最適化検討を支援しています。

一方、「NAPA Steel」はNAPA社の船舶設計システム「NAPA for Design」を構成する上流CADソフトウェアで、迅速かつ簡易な船舶構造データの作成や高品質なFEモデル作成機能に定評があります。

本会はNAPA社との緊密な協力の下、造船所や設計会社における、より迅速な調和CSRのための船体構造モデル作成、並びに重複入力作業の削減による設計効率化を目的として、「PrimeShip-HULL(HCSR)」と「NAPA Steel」との連携強化を進めております。

まずは、2014年末までに以下の機能を提供いたします。

① PrimeShip-HULL(HCSR)算式計算ソフトウェア:横部材のデータ連携機能(油タンカーの貨物区域)

従来、縦通部材のみであった「NAPA Steel」の3次元構造データの取り込み機能を強化し、トランスウェブや横隔壁などの横部材を含む全ての構造部材を算式計算ソフトウェアへ取り込むことが可能となります。基本設計段階における構造評価について、正確性を高めると共に、所要時間を劇的に短縮します。2014年中には、油タンカーを対象としたリリースを実施します。

② PrimeShip-HULL(HCSR)直接計算ソフトウェア:データ連携範囲拡大

「NAPA Steel」で作成されたFEモデルに対して、従来の要素形状及び寸法情報のデータに加え、区画情報、部材分類情報などの付加情報を直接計算ソフトウェアへ連携することが可能となります。「NAPA Steel」データの再利用かつ設計情報の一元化を推進し、構造解析の一層の効率化を図ります。

さらに、2015年以降は以下の計画にて開発を進めてまいります。

2015年中頃:
③ PrimeShip-HULL(HCSR)算式計算ソフトウェア:横部材のデータ連携(バルクキャリア及びプロダクトタンカーの貨物区域)

上記①のデータ連携対象を拡大し、バルクキャリア、プロダクトタンカーの貨物区域を対象とした横部材のデータ連携を実施します。

2015年末:
④ PrimeShip-HULL(HCSR)算式計算ソフトウェア:横部材のデータ連携(船首尾部)

上記①及び③のデータ連携対象をさらに拡大し、タンカー及びバルクキャリアに対する機関室等の船首尾区画の横部材のデータ連携を実施します。

⑤ PrimeShip-HULL(HCSR)直接計算ソフトウェア:全船一括解析機能

「NAPA Steel」等で作成された全船FEモデルから、調和CSRの要件に基づくホールドモデルへ自動分割し、最前部貨物倉から最後尾貨物倉に至る解析評価を一括して自動実行することが可能となります。

従来貨物倉ごとに個々に実施していた作業を一括実施することにより、解析工数を大幅に削減します。

本会とNAPA社は、「PrimeShip-HULL(HCSR)」と「NAPA Steel」との連携強化を今後も継続的かつ迅速に実施し、調和CSRによる船体設計の効率改善及び品質の向上に向けた強力なソフトウェア環境を提供してまいります。

以上

この件に関するお問い合せ先:
一般財団法人 日本海事協会 
船体開発部
Tel: 03-5226-2180
Fax: 03-5226-2172
e-mail: dhd@classnk.or.jp

ClassNK - EOD

ポップアップウィンドウを閉じるボタン