Press Release

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会長新年メッセージ

2014年1月1日

2014年の新春を迎え、謹んでご挨拶申し上げます。

2013年の海事産業にはさまざまなニュースがありましたが、本会におきましては、昨年6月にインド洋で発生しました本会の船級登録船であるコンテナ運搬船の重大海難事故を最も重く受け止めております。本会では事故発生直後から事故調査チームを立ち上げ、国土交通省主導によるコンテナ運搬船安全対策検討委員会にも参画し、事故原因の調査及び再発防止に努めております。今後も引き続き責任を持って対応し、船舶の安全運航に向けて本会の総力を挙げて取り組んでまいります。

また、私ども船級協会の業界におきましては、ノルウェー船級協会(DNV)とドイツ船級協会(GL)が合併してDNV-GLとなるなど、大きな動きがありました。船級協会の業界でも競争は一層激しくなっており、本会の事業環境はより厳しくなるものと見ております。

こうした中、2013年は本会初の中期経営計画(2011年~2013年)である「Global Approach 200」の最終年でした。この中期経営計画にて目標としていた①財務基盤の安定、②登録船級船2億総トン達成、③サービス品質の向上とグローバル化、④業務範囲の拡大、⑤研究開発の推進のいずれにおきましても、計画どおりに達成しました。2014年からは「Global Approach 200」で得られた成果をもとに、本会のさらなる成長のため、向こう3年間の経営指針となる新しい中期経営計画「ClassNK Global Challenge 250」が始まります。この新計画につきましても、計画どおりの達成に向けて役職員一同、全力を尽くしていく所存です。

本会の検査体制につきましては、市場の動向や顧客ニーズに配慮して検査拠点を積極的に拡充しております。2012年には海外検査拠点が100箇所を突破し、2013年にはヤンゴン、チッタゴン、クライペダ、エベルトフト、アスンシオン、ヴュルツブルク、ヘルシンキに新たに検査拠点を開設しました。また、検査拠点の拡充に加えて、最新の技術知識の習得などの徹底した研修を通して、検査員の技能向上といった検査品質の一層の充実も行いました。2014年も引き続き検査ネットワークの充実に加え、高い検査品質に磨きをかけてまいります。

船級協会にとって重要な旗国政府からの条約検査及び証書発給の代行権限につきましては、2013年はドイツ政府、セルビア政府、ルーマニア政府、フィンランド政府から新たに取得し、代行権限を付与頂いている旗国政府が2013年12月末時点で110となりました。また、ご存知のとおり、新しい国際条約として2013年はGHG削減のための条約やILO海上労働条約(MLC2006)が発効しました。本会ではEEDI(Energy Efficient Design Index)室を2012年に設置して、GHG削減のための条約に対して万全の体制で対応し、MLC2006については、海上労働検査員の育成を計画的に進めることに加え、顧客が同条約に円滑に適合できるように各地でセミナーの開催も行いました。

本会では、将来の海事産業の発展に寄与していくため、研究開発につきましても最重要施策として取り組んでおります。研究開発活動については、本会独自の研究開発に加え、「業界要望による共同研究」スキームによる共同研究を継続的に実施しました。2013年12月末時点で、140件以上の共同研究開発が完了しており、海事産業における研究開発のプラットフォームとして定着しつつあるとものと考えます。2014年も広く業界の要望に応えられる技術研究開発を積極的に行ってまいります。

一方、本会では、新しい品質システム認証サービスとして、2013年は海技認証サービスや温室効果ガス排出量検証、道路交通マネジメントシステムなどを実施してまいりました。今後も船級事業で培った技術力を活かし、これらの事業につきましても積極的に推進し、サービス向上に努めてまいります。

私たち日本海事協会は、役職員一同が全力を尽くして、技術力の向上、顧客サービスの向上、研究開発の推進などを行い、今後も海事産業の一員として業界発展のために貢献してまいります。今後とも本会に変わらぬ皆様のご支援とご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。

以上

この件に関するお問い合せ先:
一般財団法人 日本海事協会
会長室
Tel: 03-5226-2047
Fax: 03-5226-2034
E-mail: eod@classnk.or.jp

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