Press Release

標題:
業界初となるIMO GBS対応 ClassNKアーカイブセンターサービスを開始

2016年7月1日

一般財団法人 日本海事協会(ClassNK)は、業界初となるIMOの目標指向型新造船構造基準(Goal -based ship construction standards: GBS)及び関連の「業界標準」に適合したClassNKアーカイブセンター(以下NKAC)のサービスを本日より正式に開始しました。

IMO GBSは、船舶の生涯を通じての安全確保や環境保護を目的にIMOが策定した基準であり、SOLAS II-1章3-10規則により、2016年7月1日以降に建造契約される船の長さが150m以上のバルクキャリアと油タンカーに適用されます。

この規定によって、対象船舶にはシップコンストラクションファイル(Ship Construction File: SCF)の船上もしくは陸上への保管が要求されます。SCFは船舶運航の安全確保に必要となる設計並びに船体構造に関する情報から構成されますが、これらには造船所や設計会社にとって高度な知的財産となる図面や図書が含まれており、陸上保管が認められています。知財情報の保護と規則への適合の両立を図る仕組みとして、SCFを適切に保管するアーカイブセンターが必要となるものです。

IMO GBS対象船舶の新造時や構造変更を伴う改造時のSCF及びアーカイブセンター運用などに関する業界へのガイダンスとして、一般社団法人日本造船工業会を始めとする業界関連団体(CANSI, CESA, KOSHIPA, SCA, ICS, INTERCARGO, INTERTANKO, BIMCO, OCIMF, IACS)から構成されるクロスインダストリーグループは、業界標準(“The SCF Industry Standard (IS) and SCF Supplementary Guidance (SG)”)を策定しました。この「業界標準」は2016年5月に開催されたIMO第96回海上安全委員会(MSC96)に提出されています。

本会は、日本アイ・ビー・エムのクラウドコンピューティング技術を活用し、IMO GBS及び「業界標準」に適合した業界初となるアーカイブセンターシステムとしてNKACを開発しました。NKACは第三者の立場より、業界全体が安全かつ安心してSCFの電子データを船上や陸上に保管、運用できる環境を提供します。また、NKACはSCF以外の図書類の保管、管理のプラットフォームとしても利用可能です。

「業界標準」の要求に基づき、NKACは情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS, ISO/IEC 27001:2013)の認証を取得しています。さらに、クラウドコンピューティング技術を駆使し、不正アクセス回避システム、遠隔データ保護などの先進的なセキュリティシステムが採用されています。

IMO GBSの適用開始を機に高まるアーカイブセンター活用のニーズに対し、本会はNKACサービスの提供を通じて、業界の円滑な規制対応への支援に努めてまいります。

以上

情報サービス部(ClassNKアーカイブセンター窓口)
メール: info-nkac@classnk.or.jp
電話: 043-294-5451

ClassNK - EOD

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