Press Release

標題:
ClassNKアーカイブセンターが初のシップコンストラクションファイル(SCF)を格納

2018年10月29日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)が提供するClassNKアーカイブセンター(以下NKAC)は、IMO目標指向型新造船構造基準(Goal -based ship construction standards: GBS)に基づくシップコンストラクションファイル(Ship Construction File: SCF)として、NACKSで建造され、MOL Tankship Management (Asia) Pte. Ltd.(*)が管理するVLCCに関わるデータを格納しました。NKACとして、初のGBSに基づくSCFの受け入れとなります。

IMO GBSは、船舶の生涯を通じての安全確保や環境保護を目的にIMOが策定した基準であり、SOLAS II-1章3-10規則により、2016年7月1日以降に建造契約される船の長さが150m以上のバルクキャリアと油タンカーに適用されています。

対象船舶にはSCFの船上もしくは陸上への保管が要求されます。SCFは船舶運航の安全確保に必要となる設計並びに船体構造に関する情報から構成されますが、これらには造船所や設計会社にとって高度な知的財産となる図面や図書が含まれており、陸上保管が認められています。知財情報の保護と規則への適合の両立を図る仕組みとして、SCFを適切に保管する陸上アーカイブセンターが必要となるものです。

IMO GBS対象船舶の新造時や構造変更を伴う改造時のSCF及び陸上アーカイブセンター運用などに関する業界へのガイダンスとして、一般社団法人日本造船工業会を始めとする業界関連団体(CANSI, CESA, KOSHIPA, SCA, ICS, INTERCARGO, INTERTANKO, BIMCO, OCIMF, IACS)から構成されるクロスインダストリーグループにより、「業界標準(“The SCF Industry Standard and SCF Supplementary Guidance”)」が策定されています。

NKACはGBS及び「業界標準」に適合した世界初のアーカイブセンターとして、2016年の規則適用と同時に運用を開始しました。「業界標準」の要求に基づき、NKACは情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS, ISO/IEC 27001:2013)の認証を取得し、不正アクセス回避システム、遠隔データ保護などの先進的なセキュリティシステムが採用されています。なお、NKACはSCF以外の図書類の保管、管理のプラットフォームとしても利用可能です。

NKACにとり今般が初のSCF格納となりますが、今後の規則適用船の増加をふまえ、NKACは今後も業界全体が安全かつ安心してSCFの電子データを保管、運用できる環境を提供してまいります。

(*)株式会社商船三井が100%出資する船舶管理会社。本社はシンガポール。

参考(本船要目)
建造造船所:NANTONG COSCO KHI SHIP ENGINEERING CO., LTD.(NACKS)
船種:311,000DWT VLCC
管理会社:MOL Tankship Management (Asia) Pte. Ltd.
完工日: 2018/10/26

ClassNK - EOD

ポップアップウィンドウを閉じるボタン