Press Release

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会長新年メッセージ

2019年1月1日

2019年の新春を迎え、謹んでご挨拶申し上げます。

まず、昨年2018年は自然災害の頻発した一年となりました。災害により、亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますと共に、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

さて、海運市場は最悪の状況は脱したといわれ、新造船価格も上昇の兆しを見せておりますが、本格的な回復に至るには未だ時間を要するものと見込まれます。大国間の貿易紛争や世界的なポピュリズムの席巻による世界経済への悪影響も懸念されるところであり、業界の今後の見通しは依然として不透明であると認識しております。

市場の状況に加え、海事産業は環境規制とデジタルトランスフォーメーションという2つの課題に直面しています。

環境規制では、2020年からの全海域におけるSOx排出規制への対応が急務であり、また昨年のIMO海洋環境保護委員会では、GHG削減に関する長期的な目標が合意されました。この目標を達成するためには、カーボンニュートラルな燃料の使用、CO2の固定化とその再利用などが考えられますが、その技術の多くは実用化へ向けた開発途上にあり、技術の成熟度、コストなどその実現へ向けて克服すべきハードルが多くあります。

一方、ICTやIoTといったデジタル技術の進歩が社会全体に及び、これまで海事産業を構成してきた船舶や舶用機器の製造、船舶の運航、船員の教育・育成といった様々な分野の在り方が大きく変化しようとしています。デジタルトランスフォーメーションによってもたらされる革新と、関連する諸課題に対応するため、時には組織の壁を超え、さらには業界の垣根を超えた協業が必要であると考えます。

本会は、過渡期にある海事産業が、円滑に次のフェーズに移行できるよう、本会の在り方についても不断の見直しを行い、第三者機関として業界を全力で支援する体制を整えてまいります。環境規制に対しては、船級協会として新技術の使用環境或いははその使用条件の整備を重要な役割と捉え、このような立場からの研究開発などを推進してまいります。また、特にGHG削減については、その達成に向けた技術シナリオを策定中です。デジタルトランスフォーメーションについても、関係各位へのサービス向上に向けた本会の検査・審査における活用と、業界全体が規律を保ちつつデジタル化されたデータを利用できる基盤整備に努めてまいります。

2019年も本会事業への変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げますと共に、皆様にとりまして2019年が素晴らしい一年となりますよう心よりお祈りいたします。

以上

ClassNK - EOD

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