Press Release

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今治造船が開発を進めるLPG燃料180,000DWT型ばら積船に基本承認(AiP)を発行

2020年4月24日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、今治造船株式会社が三菱造船株式会社の協力を得て開発を進めるLPG燃料180,000DWT型ばら積船のコンセプトデザインに対し、基本承認(AiP)を発行しました。基本承認では、本会「低引火点燃料船ガイドライン」(*1)及びガス燃料を使用する船舶に適用されるIGFコードを取り入れた本会鋼船規則「GF編」に基づき、現行のIGF Code(MSC.391(95))を満足することに加え、2024年に予定されるIGF Code 改正(MSC.458(101)) への対応を考慮した基本設計となっていることを確認しました。ばら積船を対象としたLPG燃料船の基本承認としては世界初となります。

今治造船発表の本設計の主な特長は以下のとおりです。

「本設計の特徴として、常温高圧のLPGを取り扱う設計とすることで、自然発生する気化ガス(Boil Off Gas)に対する特別な配慮が不要となり、運航時の船上オペレーションが容易となります。また、ステンレス材等の低温材料、深冷防熱を使用する必要がなくなることで、コスト競争力についても、十分に考慮された設計としています。
LPGタンクは船橋後部への配置として計画・設計し、日本・豪州間の往復分の航続距離を確保しており、LPGの本船への供給に対しても、インフラ設備・供給拠点が世界的に整備されており、運航面に対しても柔軟な対応が可能であることも、今回の開発に至った経緯となります。」

以上

(*1) LNG以外で実用化が進められている代替燃料(メタノール/エタノール/LPG)は、従来の燃料油に比べて引火点が低く、船内に漏洩した場合に火災の危険性が高まることから、ガス又はその他の低引火点燃料を使用する船舶に対する安全要件を定めた国際ガス燃料船安全コード(IGFコード)の適用を受けます。一方、現時点の同コードでは、代替燃料について具体的な規定が明確化されていません。このため、本会は代替燃料を燃料として使用する船舶設計の推進に寄与するべく、最新の技術及び規則動向に基づき代替燃料に関する安全要件をガイドラインとしてとりまとめ、2019年に発行しています。

画像提供:今治造船株式会社

ClassNK - EOD

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