Press Release

標題:
川崎汽船、三菱造船と共同で洋上用CO2回収装置検証のための 小型デモプラント試験“CC-Ocean”プロジェクトを実施

-国交省の海洋資源開発関連技術高度化研究開発事業の対象プロジェクト-

2020年8月31日

◆ 川崎汽船運航の東北電力向け石炭運搬船でCO2回収の実証試験、洋上では世界初
◆ 想定リスクを洗い出し、操作性・安全性評価を通じて要求される仕様の決定へ

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、川崎汽船株式会社及び三菱重工グループの三菱造船株式会社と共同で、洋上におけるCO2回収装置利用の検証として、小型のCO2回収デモプラントを実船に搭載し試験運転および計測を実施します。本プロジェクトは、国土交通省海事局の補助事業である「海洋資源開発関連技術高度化研究開発事業」の支援を受けて実施するものです。

本実証試験は、陸上プラント用のCO2回収装置を洋上用に転用し実際の船に搭載して実施するものです。“CC-Ocean (Carbon Capture on the Ocean project)”のプロジェクト名で、洋上におけるCO2回収の実現を目的としています。

試験期間は2年間を予定しており、2020年8月から本会の検証の下、デモプラント及び実船搭載に関わるHAZID(HAZard IDentification:潜在危険および想定災害についての判定)を開始。また、三菱造船を中心として、CO2回収小型デモプラントの製造およびシステム安全性評価が実施されます。小型デモプラントは2021年半ばにも製造を完了し、工場における作動試験を経て、川崎汽船が運航する東北電力株式会社向けの石炭運搬船に搭載する予定です。その後、2021年度末まで実際の海上環境下における運転と性能確認や計測を通じて、洋上システムとしてのコンパクト化に向けた検討、ならびに仕様要件の決定を目指します。

今回洋上で行う実証試験は、世界初の取り組みとなります。そこで得られた知見は将来的に、洋上設備や船舶の排ガスからCO2を回収する技術・装置の開発につなげることが期待されます。さらに、回収されたCO2はEOR(Enhanced Oil Recovery:原油増進回収法)への新たなCO2の供給源や人工合成燃料の原料としてもリサイクル利用が期待され、温室効果ガス(GHG)の排出削減にも大きく寄与できると考えます。

本会は、安全性の観点よりプロジェクト全般に関わる評価・検証を行うと共に、得られた知見をCO2回収技術に関連する基準策定に活用し、GHG排出削減への貢献に努めてまいります。


(CC-Ocean プロジェクトロゴについて)
工場や発電所等から排出される CO2 を大気に放出前に回収し(Capture)、貯留(Storage)する仕組みは、一般的に CCS( =Carbon dioxide Capture and Storage)と呼ばれます。今回のプロジェクトは海上で CCS を実施するもので、”Carbon Capture on the Ocean”(CCOcean)と名付けました。
ロゴのデザインは”Carbon Capture on the Ocean”の頭文字をかたどったもので、中に CO2を包み込んで(回収して)いる様子を表しています。



以上

ClassNK - EOD

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