Press Release

標題:
「高延性鋼の使用に関するガイドライン」を発行

2020年9月24日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、高延性鋼(Highly Ductile Steel: HDS)を船体構造に使用するための要件をとりまとめた「高延性鋼の使用に関するガイドライン」を発行しました。

高延性鋼は従来鋼と同等の強度と靭性を確保しつつ、延性を向上させた鋼材です。従来鋼よりも衝撃エネルギー吸収量が高く、船体構造に適用することで被衝突時や座礁時における損傷の軽減に繋がります。また、延性向上は破孔抑止にも有効であり、浸水時の安全確保にも有用であると期待されます。

本会は船舶の安全性向上に関わる高延性鋼の可能性に着目し、高延性鋼適用に関わる研究開発(*1)への参画や、実際に高延性鋼を使用した船舶の船級登録を行ってきました。高延性鋼の更なる活用の環境整備のため、製造や溶接に関わる要件、高延性鋼適用船舶への船級符号への付記(ノーテーション)の取り扱いなどを、この度ガイドラインとして発行したものとなります。

本ガイドラインは、本会ウェブサイト「マイページ」中の「ガイドライン」に掲載しています。マイページの利用にはユーザー登録が必要となります。

URL: https://www.classnk.or.jp

以上

(*1) 参考:衝突時の被害軽減のための船体構造への高延性鋼(HDS)適用に関する研究
https://www.classnk.or.jp/classnk-rd/assets/pdf/katsudou201607_C.pdf
HDSをケープサイズバルクキャリアへ適用した範囲でFEモデルを作成し、解析を行った結果、従来鋼に比べ、衝突エネルギー吸収量は約3倍、衝突限界速度は約1.8倍になることが確認されたことなどの知見が得られている。

ClassNK - EOD

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