Press Release
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川崎重工開発の大型液化水素運搬船用貨物格納設備の設計に対し、基本承認(AiP)を発行
2021年5月6日
~舶用の液化水素貨物格納設備として世界最大の容積~
一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、川崎重工業株式会社が開発した大型液化水素運搬船に搭載する世界最大容積(40,000m3クラス/1基)の貨物格納設備(CCS : カーゴ・コンテインメント・システム)の設計に対し、基本承認(AiP)を発行しました。
水素は、燃焼時にCO2を排出しないことから、脱炭素社会を実現するためのクリーンエネルギーとして活用が期待されています。本会は、世界的に利用拡大が見込まれる水素の海上輸送に寄与するべく、国際海事機関(IMO)の「液化水素ばら積み運送のための暫定勧告」をベースに液化水素運搬船の安全要件をまとめた「液化水素運搬船ガイドライン」を2017年に発行しました。また、川崎重工が世界に先駆けて建造した1,250m3型液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」*1についての製造中船級登録検査を本会鋼船規則及びガイドラインに基づき、実施しています。
今般、本会は川崎重工の申し込みにより、今回開発された液化水素運搬船用貨物格納設備の設計*2に対して、IGCコードを取り入れた本会鋼船規則「N編」、IMO暫定勧告を取り入れた本会ガイドラインに基づく審査を実施しました。また、加えてHAZIDによるリスク評価結果に基づき貨物格納設備の包括的な安全性評価を行い、AiP発行に至りました。
川崎重工発表の本貨物格納設備の主な特長は次の通りです。
①極低温の液化水素の大量輸送を実現するために、大型LNG船と同等のタンク容積としています。
②船体から独立した自己支持方式を採用し、極低温の液化水素積載時の熱収縮に柔軟に対応する構造を実現しています。
③外部からの侵入熱により発生するボイルオフガス(BOG)を低減するために、新開発の高性能の断熱システムを採用しています。
④貨物格納設備から自然発生したボイルオフガスを船舶の推進燃料として有効利用し、液化水素輸送に係る二酸化炭素排出削減にも寄与します。
以上
大型液化水素運搬船イメージ(提供:川崎重工)
*1 技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(http://www.hystra.or.jp/)が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO:New Energy and Industrial Technology Development Organization)の「未利用褐炭由来水素大規模海上輸送サプライチェーン構築実証事業」にて建造。
*2 NEDOの「水素社会構築技術開発事業 大規模水素エネルギー利用技術開発 液化水素の輸送貯蔵機器大型化および受入基地機器に関する開発」にて実施。
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