Press Release

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ClassNK、株式会社宮地サルベージに国内初の船舶リサイクル施設認証

2013年11月14日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)(会長:上田 德)は、株式会社宮地サルベージ(代表取締役社長:森脇 順三)に対して、国内初となる、シップリサイクル条約(2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約(仮称))への適合鑑定を行い、適合証(SOC:Statement of Compliance)を発給しました。

宮地サルベージは、1976年(昭和51年)に、香川県仲多度郡多度津町に設立されました。同社は、25,000㎡の解体専用ヤード、450mの岸壁、海上クレーン船(250t吊)などの設備を備えた船舶リサイクル施設を有し、内航船や港湾荷役設備などの解体・リサイクル事業を行っています。

昨年より、同社はシップリサイクル条約で要求される「船舶リサイクル施設計画(SRFP)」(*1)を条約発効に先駆けて作成していました。また、同社で実施した青函連絡船「羊蹄丸(*2)」の解体では、一般社団法人えひめ東予シップリサイクル研究会(代表理事:日野 孝紀)と協力し、同条約で要求されるインベントリ(IHM)(*3)及び船舶リサイクル計画(SRP)(*4)を作成の上、本会の鑑定書を取得するなど、シップリサイクル条約の要求事項の完全実施に取り組んでいました。

この度、本会は、宮地サルベージより作成されたSRFPが条約の要求事項を満たしていること、また、羊蹄丸の解体を通して、シップリサイクル条約に従ったリサイクルが行われていることを第三者機関として鑑定し、同社に対して適合証を発給しました。本鑑定は、先に実施していたIHM及びSRPの適合鑑定と同様に本会によるワンストップサービスとして行われたものです。

なお、今回の宮地サルベージへの適合証の発給は、昨年12月のJiangmen Zhongxin Shipbreaking & Steel Co., Ltd.及び本年9月のDalian Shipbuilding Industry Marine Service Co., Ltd.に続き世界で3例目になります。また、IHM、SRP及びSRFPの適合鑑定が、同一船舶の解撤で完全実施されたのは初めてで、羊蹄丸の解体は、シップリサイクル条約の完全実施が確認された世界初の事例となります。

(*1)SRFP(船舶リサイクル施設計画:Ship Recycling Facility Plan)…シップリサイクル条約の規定により船舶リサイクル施設承認の際に施設が準備しなければならない書類であり、施設における安全・環境保全を確保する方法等を記載するもの。

(*2)羊蹄丸…1965年から1988年まで青函連絡船として就航。その後、公益財団法人 日本海事科学振興財団「船の科学館」において1996年から2011年まで展示。2011年に、同財団から、一般社団法人えひめ東予シップリサイクル研究会に無償譲渡され、新居浜東港で一般公開された後、宮地サルベージにおいて、先進国型シップリサイクルシステム研究の一環として解撤された。

(*3)インベントリ(IHM:Inventory of Hazardous Material)…船舶に存在するアスベスト等の有害物質の所在と量を記載した一覧表。シップリサイクル条約の規定により、船舶ごとに作成・維持が義務付けられる。

(*4)船舶リサイクル計画(SRP:Ship Recycling Plan)…船舶の解体手順、有害物質処理方法等の詳細に関する計画書。シップリサイクル条約の規定により、船舶ごとに、IHMから得られる情報を参考に作成・維持することが義務付けられる。

以上

この件に関するお問い合せ先:
(本認証に関して)
一般財団法人日本海事協会 
テクニカルサービス部
Tel:03-5226-2175
Fax: 03-5226-2177
E-mail:mid@classnk.or.jp

(シップリサイクル条約に関するNKの取り組みに関して)
一般財団法人日本海事協会 
研究開発推進室
(シップリサイクル事業推進チーム事務局)
Tel:03-5226-2025
Fax: 03-5226-2019
E-mail:rx-sec@classnk.or.jp

ClassNK - EOD

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