Press Release
標題:
日本郵船とIHI原動機によるアンモニア燃料タグボートに関わる
基本設計承認(AiP)を発行
2022年7月12日
一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、日本郵船株式会社ならびに株式会社IHI原動機が共同開発しているアンモニア燃料タグボート(A-Tug: Ammonia-fueled Tugboat)に対し、基本設計承認(AiP)を発行しました。
燃焼時にCO2を排出しないアンモニアは、船舶の脱炭素燃料として活用が期待される一方、人体への毒性や材料に対する腐食性が指摘されており、適切な安全確保措置が講じられる必要があります。本会は、アンモニア燃料によるゼロエミッション船舶に向けたプロジェクトに安全性評価の観点から関与し、また、必要な基準として、アンモニア燃料船に関わる船舶、船員及び環境に与えるリスクを最小化するための設備、制御及び安全装置等に関する要件等を規定した「代替燃料船ガイドライン」を発行しています。
今般、本会は日本郵船とIHI原動機が研究開発中のアンモニア燃料タグボートに対し、本会代替燃料船ガイドラインC-1部に基づく審査を行い、所定の要件への適合を確認したことからAiPを発行しました。本会が、アンモニアを燃料とするタグボートへのAiPを発行するのは世界初となります。
本会は、両社による2024年度の横浜港における実証運航の実現に向けた取り組みを認証機関として引き続き支援するとともに、協業により得られた知見を通じ、アンモニア燃料船に関わる適切な基準提供に努めてまいります。
以上
AiP証書授与式
右:株式会社IHI原動機 技術センター長 田村有一様
中央:日本郵船株式会社 執行役員 中村利様
左:一般財団法人日本海事協会 執行役員技術本部長 松永昌樹
A-Tugのイメージ画像(提供:日本郵船株式会社)
基本設計承認(Approval in Principle: AiP)について:
設計初期の段階あるいは特定の実装対象船舶が決定する前の段階で、国際条約や船級規則など既存の規制に基づき、設計を審査し、要件への適合の証明として発行する。後工程における規制面の手戻りの防止や、船級登録時の審査時間の短縮に繋がるとともに、設計状況の対外的なアピールの技術的根拠として活用することが可能となる。
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