Press Release

標題:
商船三井、三井物産共同開発によるアンモニア燃料大型ばら積み船に関わる基本設計承認(AiP)を発行

2023年1月27日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、株式会社商船三井、および三井物産株式会社が共同開発したアンモニア燃料大型ばら積み船(載貨重量トン21万トン級大型ばら積み船)に対し、基本設計承認(AiP)を発行しました。

燃焼時にCO2を排出しないアンモニアは、船舶の脱炭素燃料として活用が期待される一方、人体への毒性や材料に対する腐食性が指摘されており、適切な安全対策が講じられる必要があります。本会は、アンモニア燃料によるゼロエミッション船舶に向けたプロジェクトに安全性評価の観点から関与し、また、必要な基準として、アンモニア燃料船に関わる船舶、船員及び環境に与えるリスクを最小化するための設備、制御及び安全装置等に関する要件を規定した「代替燃料船ガイドライン」を発行しています。

本船の開発は、商船三井と三井物産が共同で本船サイズの決定および仕様の策定を行い、設計については両社より三菱造船株式会社に委託されています。本会は、共同開発された設計に対し、代替燃料船ガイドラインC部に基づく審査を実施し、所定の要件への適合を確認したことからAiPを発行しました。さらに、基本設計の段階で許容されないリスクが存在しないことの確認や、詳細設計において検討すべき事項の洗い出しを目的として、リスクアセスメント(HAZID)を実施する予定です。

本会は、各社の取り組みを認証機関として引き続き支援するとともに、協業により得られた知見を通じ、アンモニア燃料船に関わる適切な基準提供に努めてまいります。

以上


アンモニア燃料21万重量トンばら積み船完成予想図(提供:商船三井、三井物産)


基本設計承認(Approval in Principle: AiP)について:
設計初期の段階あるいは特定の実装対象船舶が決定する前の段階で、国際条約や船級規則など既存の規制に基づき、設計を審査し、要件への適合の証明として発行する。後工程における規制面の手戻りの防止や、船級登録時の審査時間の短縮に繋がるとともに、設計状況の対外的なアピールの技術的根拠として活用することが可能となる。

ClassNK - EOD

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