Press Release

2014年6月23日

一般財団法人 日本海事協会（ClassNK）（会長：上田 德）は、ナカシマプロペラ株式会社が開発した炭素繊維強化プラスチック（CFRP）製プロペラの製造方法及び設計の承認を実施しました。本CFRP製プロペラは、双和海運有限会社が所有する内航ケミカルタンカーに搭載されました。CFRP製プロペラの一般商船への搭載は世界初となります。

本CFRP製プロペラは、本会の「業界要望による共同研究」スキームを通じて、本会、ナカシマプロペラ株式会社、東京大学大学院工学系研究科、独立行政法人海上技術安全研究所、日本郵船株式会社、株式会社MTI、今治造船株式会社の共同研究体制で開発されました。

CFRPは従来舶用プロペラ材料として広く用いられてきたアルミニウム青銅と比較して、比重は約1/5と軽量ながら同等以上の高強度を有します。そのため、舶用プロペラへCFRPを適用した場合には、重量軽減による推進軸系の小径化・低コスト化に加えて、高強度を活かした薄肉化・小翼面積化が実現できるため、プロペラ効率の向上が見込まれます。
　
今回の承認にあたり、疲労試験を含む各種材料試験により、本CFRPの基礎的な機械的性質を確認するとともに、実大のプロペラブレードを用いた静的荷重試験により舶用プロペラへの適用性を検証しました。その上で、CFRP製プロペラの製造工程・品質管理体制を確認し、本会は直径2.12 m までのCFRP製プロペラの製造方法を承認しました。また、実船搭載されたCFRP製プロペラに対しては、製造方法の承認において確認された機械的性質とプロペラ各部の応力解析結果に基づいて設計承認を実施し、本会検査員の立会いのもと製品検査が実施されました。

本CFRP製プロペラは、既設のアルミニウム青銅製プロペラと換装する形で搭載され、換装後に実施された海上公試運転では換装前と比較して、同船速での所要馬力が約9%削減されていることが確認されました。今後、運航中の馬力、燃料消費などを計測し、その効果を検証していく計画となっております。

本会は、迅速な承認と必要な技術支援を通じて、新技術の実用化に向けて今後も取り組んでいきます。

以上

本件の製造方法の承認以外の事項に関するお問い合せ先：
一般財団法人日本海事協会
機関部
Tel: 03-5226-2022
Fax: 03-5226-2024
E-mail: mcd@classnk.or.jp

本件の製造方法の承認に関するお問い合せ先：
一般財団法人日本海事協会
材料艤装部
Tel: 03-5226-2020
Fax: 03-5226-2057
E-mail: eqd@classnk.or.jp

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