Press Release

標題:
古野電気のHermAceを製品・ソリューション向けイノベーションエンドースメント認証 ~本会登録マーシャル籍船における、VDR年次性能試験の遠隔実施が可能に~

2023年3月17日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、古野電気株式会社が開発した船舶向けリモートモニタリング&トラブルシューティングプラットフォーム「HermAce(ヘルムエース)」に対し、イノベーションエンドースメント*1の製品・ソリューション向け認証を実施し、証書を発行しました。また、マーシャル諸島籍の本会登録船について、HermAceの機能を、船上での航海情報記録装置(VDR)年次性能試験(Annual Performance Test: APT)の代替手段とすることが、主管庁から認められました。今後、HermAceを搭載しているマーシャル諸島籍船舶については、遠隔にてVDR APTを実施することが可能となります。

HermAceは古野電気製航海用電子機器の稼働状況を、遠隔で監視できるソリューションであり、オンライン環境でVDRのデータを収集する機能が含まれています。VDRは、毎年、有資格者(エンジニア)によるAPTを行う必要があり、動作と航海情報の記録を本船に訪問して確認する必要がありますが、HermAceを装備した船においては、遠隔でVDRデータが抽出できます。リアルタイムデータと履歴を活用したリモート診断、定期検査に必要なデータ取得・変換・記載等の事前準備を行い、ログなどのエビデンスに基づきエンジニアが確認することで、遠隔の場合でも従来と同等の性能試験が実現されています。訪船調整およびエンジニアの訪船にかかる時間の低減につながるなど、人的コストの削減が見込まれます。

本会は、1. HermAceの船内データの収集と可視化、2. 古野電気製ナビゲーション機器のメンテナンスの品質向上、の各機能を確認し、このたびイノベーションエンドースメントの認証証書を発行しました。さらに、認証を通じて検証した機能の有効性を基に、SOLAS条約で要求される船上でのAPTの代替手段として、HermAceを用いることへの承認をマーシャル諸島主管庁から取得しました。

安全性、効率性、持続可能性の向上を目指す革新技術の普及に貢献すべく、本会はイノベーションエンドースメントをはじめとした包括的な認証サービスにさらに注力してまいります。

*1 革新技術の普及、発展を促すべく、技術的先駆者であるフロントランナーとの協働により適切な評価基準を策定するのと並行し、迅速に作業を進める認証サービスとしてイノベーションエンドースメントを提供しています。認証の分類の内、「製品・ソリューション」は、船舶へ搭載・利用される機器やソフトウェアなどを対象としています。


関連プレスリリース
(古野電気)タイトル: 「HermAce」がイノベーションエンドースメント認証を取得
https://www.furuno.co.jp/news/general/general_category.html?itemid=1285&dispmid=1017


(本会)ClassNK Innovation Endorsement紹介動画:
https://youtu.be/_ziAX-oJxyQ


以上

ClassNK - EOD

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