Press Release

標題:
商船三井、常石造船、三井E&S造船によるアンモニア燃料液化ガス輸送船に基本設計承認(AiP)を発行

2023年4月14日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、株式会社商船三井、常石造船株式会社および三井E&S造船株式会社が共同開発を進める外航アンモニア燃料液化ガス輸送船に対し、基本設計承認(AiP)を発行しました。

燃焼時にCO2を排出しないアンモニアは、船舶の脱炭素燃料として活用が期待される一方、人体への毒性や材料に対する腐食性が指摘されており、適切な安全対策が講じられる必要があります。本会は、アンモニア燃料によるゼロエミッション船舶に向けたプロジェクトに安全性評価の観点から関与し、また、必要な基準として、アンモニア燃料船に関わる船舶、船員及び環境に与えるリスクを最小化するための設備、制御及び安全装置等に関する要件を規定した「代替燃料船ガイドライン」を発行しています。

本船では貨物として積載したアンモニアの一部を燃料として使用し、航海中の CO2排出量ネットゼロを実現することが目標とされています。本会は、共同開発されたアンモニアを燃料とする中型液化ガス輸送船の設計に対し、代替燃料船ガイドラインC部に基づく審査に加え、HAZIDを通じたリスク評価を検証し、所定の要件への適合を確認したことからAiPを発行しました

2026年頃の竣工に向け、設計を進められる本船に対し、本会は技術的な知見を通じたサポートに引き続き努めてまいります。また、協業により得られた知見を通じ、アンモニア燃料船に関わる適切な基準提供や、適切な図面審査・検査体制の整備を進めます。
以上

[本船概要]
全長: 約180m
全幅: 約30m
型深: 約19m
積載容量: 約40,000m3
主機: 三井-MAN B&W製アンモニア燃料2ストロークエンジン S60型(開発中)

イメージ(提供:商船三井・常石造船・三井E&S造船)


AiP授与式写真

(左より)
商船三井 エネルギー営業本部 電力・風力エネルギー事業群第一ユニット長 渡辺 勲様
日本海事協会 執行役員 技術本部長 松永 昌樹
商船三井 技術革新本部 技術部長 杉本 義彦様
三井E&S造船 執行役員 営業部長 古家 健様
常石造船 営業本部 造船営業部 部長 庄 圭一郎様

基本設計承認(Approval in Principle: AiP)について:
設計初期の段階あるいは特定の実装対象船舶が決定する前の段階で、国際条約や船級規則など既存の規制に基づき、設計を審査し、要件への適合の証明として発行する。後工程における規制面の手戻りの防止や、船級登録時の審査時間の短縮に繋がるとともに、設計状況の対外的なアピールの技術的根拠として活用することが可能となる。

ClassNK - EOD

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