Press Release
2025年1月1日
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は、世界情勢が不安定さを増す緊張の一年となりました。一刻も早い平和の実現を願うとともに、厳しい環境下で世界の人々の営みを支える海上貿易の安定にご尽力されている関係者の皆様に深く敬意を表します。
持続可能性の追求により、海事産業が大きく変わりつつある中、本会は、この変化の行く末を見据え、従来の船級サービスの充実にとどまらず、より良い海上貿易・海運を目指すお客様の事業変革をご支援するサービスの拡充に努めて参ります。
本年は、GHG排出ネットゼロ実現に向け、国際海事機関(IMO)による新たな国際規制の合意が予定されています。また、欧州では、昨年開始された海運EU-ETSに続き、FuelEU Maritimeもスタートします。これらの規制はいずれも脱炭素燃料への移行に主眼を置いた新たな規制ですが、足下の代替燃料の供給の制約を踏まえると、様々なGHG排出削減手段の活用が不可欠です。本会は、皆様の移行対応を包括的にご支援する「ClassNK トランジション サポート サービス」を順次拡充し、代替燃料利用の最新動向の情報提供をはじめ、お客様の脱炭素化に向けた取り組みをあらゆる角度からサポートしております。GHG排出のマネジメントツール「ClassNK ZETA (Zero Emission Transition Accelerator)」では、海運EU-ETSやFuelEU Maritimeへの対応機能を追加し、現在では約6千隻の船舶でご利用いただくまでになりました。
脱炭素に向けた国際規制の開始で、運賃に大きく跳ね返るコスト増が待ち構えています。「生涯を通じて船が最良のパフォーマンスを発揮する」ことの追求が一層重要となってきます。お客様の声に耳を傾けながら、これを可能とする「良い船」、「良い運航」、「良い管理」の追求をご支援するサービスのご提供に努めて参ります。
洋上風力発電やドローンの操縦士試験・機体検査、トラック・バス・タクシー事業者向けの働きやすい職場認証、官公庁船といった伝統的な船級以外の事業も順調に成長を続けております。また、昨年、航空分野向けの脱炭素燃料の認証に、国際民間航空機関(ICAO)から承認を取得し、本年より事業を開始します。本会の認証サービスを通じて、持続可能な社会づくりへの貢献を続けて参ります。
お客様、そして社会のより良い未来への針路を目指す本会のスローガン“CHARTING THE FUTURE”を合言葉に、皆さまの未来を築くパートナーとなれますよう、職員一丸となって努めて参ります。どうぞ本年もよろしくお願いいたします。
一般財団法人 日本海事協会
会長 坂下 広朗
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