Press Release
標題:
直接荷重解析プログラムのベンチマークとして活用できる水槽試験結果を公開
~超大型コンテナ船や代替燃料船など新たな船型の設計・導入を支援~
2025年3月10日
一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、超大型コンテナ船や代替燃料船といった新船型の構造設計の開発を支援すべく、高度な構造強度評価に用いられる「直接荷重解析」のプログラム開発および検証の基盤データとして活用可能な水槽試験結果を公開しました。「直接荷重解析」は、超大型コンテナ船や代替燃料船など、従来の簡易算式が適用できない新形状の船体強度評価の際に実船に作用する荷重を算出する手法で、本公開データを造船所の設計者と本会の共通基準としていただくことで、当該強度評価の技術的根拠における信頼性や透明性が向上し、設計審査の迅速化にも寄与します。
本会は、「直接荷重解析に基づく強度評価ガイドライン」にて代替燃料船等の新しい構造様式を有する船舶や、実績のない大きさの船舶に対し、それぞれの特徴を考慮した荷重に基づく精度の高い強度評価を可能とする方法として、この直接荷重解析という手法を示しています。
一方、直接荷重解析の解析プログラムに使用される基盤データはさまざまであり、その内容によっては精度の改善が必要となる場合があります。そこで本会は、実船に作用する様々な荷重を導出できるよう、最新の計測機器を用いた大規模な水槽試験を行い、プログラムの検証用および基盤データとして利用できるベンチマーク試験データを公開しました。公開データは大型コンテナ船と油タンカーの2船種で*1、形状や重量分布などの設計データ、運動特性や加速度といった試験結果を含みます。肥大船・痩せ型船の代表船型であるこれらの船種データを用いることにより、様々な船型への計算が可能であり、関連技術の使用・開発の際を含め幅広く活用いただけます。
これに伴い、前述の「直接荷重解析に基づく強度評価ガイドライン」の改訂版として第4版を発行し、プログラムの精度検証にあたり当該データとの比較検証を推奨する旨の要件を新たに加えています。
本会は、社会の変化を先取りし、課題解決のための研究開発やその結果の公表を通じ、持続可能なより良い社会創りに貢献します。
今回公表した試験データは、本会技術研究所のウェブサイトのClassNK Open dataのページ(URL: https://www.classnk.or.jp/classnk-rd/randd/opendata.html)よりお申し込みいただくことでご使用いただけます。
直接荷重解析に基づく強度評価ガイドラインは、本会ウェブサイトにてマイページのユーザー登録をすることにより、マイページの「ガイドライン」のページでご覧いただけます。
https://www.classnk.or.jp/account/ja/Rules_Guidance/ssl/guidelines.aspx
以上
*1 コンテナ運搬船に関するデータ:NK-14KTEU
油タンカーに関するデータ:NK-VLCC
水槽試験の様子(場所:海上技術安全研究所)

【本件に関するお問い合わせ】
一般財団法人日本海事協会 開発本部 技術研究所
TEL: 03-5226-2737
E-mail: ri@classnk.or.jp
【報道関係のお問い合わせ】
一般財団法人日本海事協会 営業本部 広報室
〒102-8567 東京都千代田区紀尾井町4-7
TEL: 03-5226-2047 FAX: 03-5226-2039
E-mail: eod@classnk.or.jp
ポップアップウィンドウを閉じるボタン