AI活用による船舶運航最適化のGHG削減効果を実船で検証
~エバーグリーン、サムスン重工業、ウェザーニュースとMOUを締結~
2026年8月20日
一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、AIを活用した自律運航システムによる実運航時の燃料消費量および温室効果ガス(GHG)排出量の削減効果を客観的に検証するための共同プロジェクトに参画します。
本プロジェクトは、AIを活用した運航最適化技術の実運航環境における燃料消費量およびGHG排出量の削減効果を検証し、その客観的な検証手法の確立を目指すものです。台湾の海運会社エバーグリーンが運航する実商船を対象に、韓国の造船会社サムスン重工業(SHI)が開発した自律運航システム「SAS」と株式会社ウェザーニュース(WNI)の気象・海象データを活用し、実船の運航データや燃料消費量を分析することで、AIによる運航最適化技術の有効性を検証します。ClassNKは、検証手法の技術レビューおよび第三者評価を通じて、検証結果の客観性と信頼性の向上に貢献します。
本プロジェクトの実施にあたり、4者はエバーグリーン本社において覚書(MOU)を締結し、AI活用による運航最適化技術のGHG削減効果検証に向けた協力体制を構築しました。
MOU締結の背景海運業界では、燃料消費量および温室効果ガス排出量の削減に資する様々な技術の開発・導入が進められています。自動運航技術や気象・海象情報を活用した運航最適化技術についても、運航効率の向上や燃料消費量の削減への貢献が期待されており、とりわけ急速に進展するAIを活用した技術が注目を集めています。一方、実際の航海では、気象・海象、船舶の状態、運航条件などが航海ごとに異なるため、こうした技術による燃料削減効果を客観的に評価するには、適切な検証手法の構築が重要となります。そこで各者は、それぞれの知見や技術を持ち寄り、自律運航システムと気象・海象情報を組み合わせた運航最適化技術による燃料消費量およびGHG排出量の削減効果を検証することとしました。
各者の役割- エバーグリーン: 実証対象船舶の提供、運航データおよび燃料データの提供、ならびに乗組員による協力
- SHI: 速力最適化アルゴリズムの実行、SASによるリアルタイム船舶制御、およびSASシステム機器の設置・保守
- WNI: 基準航路の設定、高解像度の気象・海象予測データの提供、ならびに過去気象データの提供
- ClassNK: 検証手法に関する技術レビューおよびStatement of Fact(事実確認書)の発行
本会は、今後も海事産業の脱炭素化に向けた先進的な取り組みに積極的に関与し、技術の社会実装と持続可能な海上輸送の実現に貢献してまいります。
以上
MOU調印式の様子
右から:
Mr. Keemoon, Executive Director for Global SEA Division, Weathernews Inc.
Dr. Hyun Joe Kim, Executive Vice President, Head of Ship & Offshore Research Institute, Samsung Heavy Industries
Capt. Jack H.M. Yang, Deputy Div. Chief, Ship Div., Evergreen Marine Corporation
日本海事協会 常務理事 山口 欣弥
関連プレスリリース:
サムスン重工業の自動運航システムの中心的な構成要素「SAS-IBS」に対し、技術認証を発行 ~展示会KORMARINE 2025で証書授与式を開催~
https://www.classnk.or.jp/hp/ja/news.aspx?id=14202&layout=1&type=p
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