その他研究開発(共同研究等)

SCR脱硝触媒の排気ガス温度特性に関する研究開発

研究実施期間:2011年04月01日 ~ 2012年04月30日

共同研究者

ヤンマー株式会社

研究の概要

 舶用機関に対する国際的な排気ガス規制であるIMO規制において、2016年予定で大幅な規制強化が決定している。 本規制のNOx削減値はIMO1次規制に対して80%の削減が要求されており、機関での対応だけでは困難であり、後処理技術の適用が現実的である。
 日本においてはスーパークリーンマリンディーゼルプロジェクト(SCMD-PJ)を中心にSCR脱硝装置の開発がされており、低速、中速、高速と3チームに分かれて2007年から開始されている。 ここでも報告されている課題として、特に低速機関において機関出口の排気ガス温度が低いことが挙げられ、レイアウトに苦慮し、過給機出口への搭載は、燃料硫黄分、還元剤が限定されている状況となっている。 中速機関においても、機関出力が低い場合等では低排気ガス温度が課題となり、機関側での対策が検討されている。
 しかしながら、機関側での対策は機関性能の悪化を招くため、低排気ガス温度でのSCR脱硝装置の適用には、低温で活性の高い触媒を使うなど触媒側での対策が必要になる。 触媒種によっては酸性硫安等による触媒劣化が懸念されるため、触媒浄化性能の排気ガス温度特性と共に劣化に対する耐力(寿命)の見極めが最重要課題になる。
 そこで本事業では、高硫黄燃料を用いて加速試験を行い、エンジンの連続運転による各種触媒の耐久試験を実施する。 耐久試験は、高硫黄燃料によるエンジン長期連続運転が可能なヤンマーコタキナバルR&Dセンター(YKRC)において実施し、排気ガス温度特性が異なる触媒種の劣化特性から、浄化性能と寿命の関係を明確化することを目的とする。
 排気ガス温度250~300℃、脱硝率≧80%、NH3スリップ≦10ppmの実現に向けて下記実施を目標とする。

1. 触媒種変更によるNOx浄化性能と寿命(耐劣化)とのトレードオフ関係の明確化

2. 燃料硫黄分0.1%での耐久性(使用限界)の明確化

研究成果報告書

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