Press Release

標題:
ケイライン・ウインド・サービス、ジャパン マリンユナイテッド、日本シップヤードによる 浮体式洋上風車向け専用船に基本設計承認(AiP)を発行

2024年2月28日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、川崎汽船株式会社と川崎近海汽船株式会社の合弁会社であるケイライン・ウインド・サービス株式会社、ジャパン マリンユナイテッド株式会社、日本シップヤード株式会社が共同で開発*1している浮体式洋上風車向け専用船に対し、基本設計承認(AiP)を発行しました。

浮体式洋上風車は、アンカーおよび係留チェーンまたは繊維ロープなどで構成される係留システムによって洋上設置される手法が一般的であり、船舶による係留作業が必要となります。今般3社が開発した浮体式洋上風車向け専用船は、「係留システムの輸送」「係留システムの海底設置・展張」「アンカー把駐力試験」といった作業項目を効率的に遂行することを主目的に開発されました。また、洋上風力発電所の開発から運転までの一連のプロセスである「調査」「輸送」「建設」「保守管理」という各段階における様々な船舶需要に対応できるよう、多機能性にも配慮した設計となっています。

本会は、本専用船のコンセプト設計に対し、作業船に関する本会鋼船規則O編およびSPSコード*2に基づく審査を行いました。加えて、2024年7月から強制要件として発効するIPコード*3の適用を前提とした審査も実施し、所定の要件への適合を確認したことからAiPを発行しました。

本会は、日本国内における洋上風力発電の拡大に向け、認証機関としての活動を通じた貢献に引き続き努めてまいります。

以上

*1 本件は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「低コスト施工技術(風車浮体設置)の開発」の一環として、研究開発が進められています。
*2 特殊目的船コード(Code of Safety for Special Purpose Ships)
*3 洋上施設上で作業を行う産業人員(Industrial Personnel)を輸送する船舶の安全に関する国際規則


AiP授与式の様子(Wind Expo 2024 川崎汽船グループ展示ブースにおいて)

(左より)
ジャパン マリンユナイテッド 常務執行役員 柳田 博彦様
日本海事協会 副会長 重見 利幸
ケイライン・ウインド・サービス 代表取締役社長 蔵本 輝紀様
日本シップヤード 代表取締役社長 前田 明徳様


浮体式洋上風車向け専用船イメージ図(提供:ケイライン・ウインド・サービス)


基本設計承認(Approval in Principle: AiP)について:
設計初期の段階あるいは特定の実装対象船舶が決定する前の段階で、国際条約や船級規則など既存の規制に基づき、設計を審査し、要件への適合の証明として発行する。後工程における規制面の手戻りの防止や、船級登録時の審査時間の短縮に繋がるとともに、設計状況の対外的なアピールの技術的根拠として活用することが可能となる。詳細は本会ウェブサイト参照

ClassNK - EOD

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