Press Release
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三井E&S造船のメタノール燃料供給装置にAiPを発行
2024年4月11日
一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、三井E&S造船株式会社が開発したメタノール燃料供給装置に対し、基本設計承認(AiP)を発行しました。
脱炭素化に向け、メタノールは代替燃料の有望な選択肢のひとつとして考えられており、持続可能なバイオマス由来のバイオメタノールやCO2と再生可能エネルギー由来の水素を合成することで生成するeメタノールなどのグリーンメタノールを使用することで、ライフサイクルベースでのGHG排出量の大幅な削減が期待されます。
一方で、メタノールには人体への毒性や着火のしやすさといった特性に起因する漏洩時のリスクがあり、適切な安全対策が講じられる必要があります。IMOでは、メタノールを燃料として使用する際の安全要件整備の検討が行われており、2020年には「メタノールおよびエタノールを燃料として使用する船舶の安全性を確保するための暫定ガイドライン」が公表されています。
三井E&S造船開発のメタノール燃料供給装置のコンセプト設計に対し、本会はIMO暫定ガイドラインの内容を取り入れた「代替燃料船ガイドライン(第2.1版)」に基づく審査を行い、所定の要件への適合を確認したことからAiPを発行しました。
本会は、脱炭素化に向けた先進的な取り組みに対し、安全性評価をはじめとした貢献に引き続き努めてまいります。
以上
AiP授与式写真(Sea Japan 2024 日本海事協会ブースにおいて)
右:三井E&S造船株式会社 代表取締役社長 小葉竹 泰則様
左:一般財団法人日本海事協会 常務理事 技術本部⻑ 松永 昌樹
基本設計承認(Approval in Principle: AiP)について:
設計初期の段階あるいは特定の実装対象船舶が決定する前の段階で、国際条約や船級規則など既存の規制に基づき、設計を審査し、要件への適合の証明として発行する。後工程における規制面の手戻りの防止や、船級登録時の審査時間の短縮に繋がるとともに、設計状況の対外的なアピールの技術的根拠として活用することが可能となる。詳細は本会ウェブサイト参照。
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