Press Release
標題:
アンモニア燃料船搭載機器からのアンモニア燃料の漏えい頻度推定値を公表
~合理的かつ信頼性の高いリスク評価の実現~
2024年8月30日
一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、リスク評価に利用可能なアンモニア燃料船搭載機器からのアンモニア燃料の漏えい頻度推定値を公表しました。代替燃料船ガイドライン(第3.0版)C部に付録として追加しています。
燃焼時にCO2を排出しないアンモニアは、船舶の代替燃料としての活用が期待されており、現在、アンモニア燃料船の実用化に向けてさまざまな検討、開発が進められています。こうしたアンモニア燃料船では、設計時にリスク評価が要求されます。リスク評価には、配管等の機器類からアンモニアが漏えいする確率を考慮する必要があります。一方で、船舶におけるアンモニア漏えいの事象が極めて限られているため、漏洩頻度のデータが乏しく、したがって漏えい確率の見積もりも困難でした。
そこで、本会は、国立研究開発法人産業技術総合研究所安全科学研究部門と連携し、漏えい確率の推定を行いました。具体的には、高圧ガス保安協会データベースより抽出した日本国内の陸上設備におけるアンモニア漏えい頻度データと、LNG燃料船におけるLNG漏えい頻度データとを組み合わせ、ベイズ更新と呼ばれる手法を用いて船舶におけるアンモニア漏えい頻度推定値(漏えい確率)を求めました。このようなベイズ更新を用いた漏えい頻度推定は、水素等の利用実績が少ない物質のリスク評価を行うために世界的に取り組まれているものであり、今回世界で初めて舶用アンモニア燃料機器の漏えい頻度推定に適用しました。
本取り組みにより得られたアンモニア燃料船搭載機器における漏えい頻度推定値を用いることで、より合理的かつ信頼性の高いリスク評価を実現できます。
本会は、お客様のゼロエミッションへの円滑な移行を包括的に支援する「ClassNK トランジション サポート サービス」の一環として、今後もアンモニアをはじめとした代替燃料の安全利用に向けた取り組みを推進してまいります。
本ガイドラインは、本会ウェブサイト(URL:www.classnk.or.jp )にてマイページのユーザー登録をすることにより、マイページの「ガイドライン」にてご覧いただけます。
https://www.classnk.or.jp/account/ja/Rules_Guidance/ssl/guidelines.aspx
図表 アンモニア燃料機器からのアンモニア漏洩頻度
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