Press Release

標題:
Kumiai Navigation (Pte) Ltdの保有船に対して、Zero-Emission Accelerating Ship Financeに基づく評価ならびに同社への融資を実施
-第1号案件、最高ランク「S評価」を付与 -

2022年9月15日
株式会社日本政策投資銀行
一般財団法人日本海事協会

株式会社日本政策投資銀行(以下、「DBJ」)及び一般財団法人日本海事協会(以下、「Class NK」)が共同運用するZero-Emission Accelerating Ship Finance(以下、「本プログラム」)に基づき、ClassNKは、Kumiai Navigation (Pte) Ltd(本社:1 Raffles Place #27-62 One Raffles Place Tower 2 Singapore 048616、Managing Director:黒柳智丸)(以下、「Kumiai」)が保有するLPG二元燃料大型LPG運搬船「CRYSTAL OASIS(IMO番号:9915806)」(以下、「本船」)に対して評価を実施し、DBJは、Kumiaiに対して本船取得資金を使途とした融資を実行しました。

今後、環境規制の強化やカーボンプライシングの導入が想定される海運業界において、環境配慮性能が高い船舶の資産価値を正当に評価する仕組みと、それを投融資と組み合わせて提供することが求められていくものと考え、DBJとClassNKは、これまで培ってきたお互いの知見・ノウハウを持ち寄り、本プログラムを創設しました。
本プログラムでは、DBJとClass NKが本プログラム用に共同開発した「脱炭素・環境配慮性能・先進性」という観点での総合スコアリングモデルに基づき、ClassNKが船舶の評価を実施し、DBJが投融資を提供することで、海運事業者の脱炭素への移行に資する取り組みをIR面・資金面から支援します。
本船への評価は、本プログラムに基づく第1号案件となります。

Kumiaiはシンガポールに拠点を置く日系船主であり、業界でも先駆けてLPG二元燃料LPG運搬船の発注を進める等、脱炭素への移行に向けた先進的な取り組みを進めています。本船は、川崎重工業坂出工場で建造され、2022年6月にKumiaiへ引き渡された、最新鋭のLPG二元燃料大型LPG運搬船となります。
今回の本船評価にあたっては、(1)主機関にLPGを使用可能な二元燃料エンジンを採用していることから、排ガス中の硫黄酸化物(SOx)や二酸化炭素(CO2)などの排出量の大幅な削減が可能となっており、エネルギー効率設計指標(EEDI)フェーズ3*を規制の強制化に先んじて達成している点、(2)排ガス再循環(EGR)装置及び選択式触媒還元(SCR)脱硝装置の搭載により、窒素酸化物(NOx)3次規制を満足している点、(3)大気・海洋汚染防止への更なる配慮として、国際条約で義務化されていない様々な環境技術が導入され、特別な環境対策や先進的な環境対策が講じられたClassNK船級船に対するノーテーション”Environmental Awareness(EA)”及び”Advanced Environmental Awareness(a-EA)”**を有する点等を評価しました。
その結果、本船に対し、本プログラムにおける「脱炭素・環境配慮性能・先進性が特に高いと評価できる船舶」として、相応の環境関連投資がなされていると認める最高ランクのS評価を付与しました。

DBJとClassNKは、本プログラムの広がりを通じて、海運事業者の脱炭素への移行に資する取り組みをサポートし、海運業界全体の脱炭素への移行に向けて、共に歩んで参ります。
* EEDI規制は、新造船を統一の燃費指標で評価し、一定値以下とすることを義務づけるもの。船種毎の規制値が段階的に強化される。LPG運搬船(15,000DWT以上)のフェーズ3では、規制開始時と比較して30%以上の削減率が要求される。
** ノーテーションは、特定の目的に対して特別な措置が講じられたものを船級証書上で示すもの。本船はClassNK「環境ガイドライン」に適合し、ノーテーション”Advanced Environmental Awareness(a-EA)”を有する初の船級船となる。


<本船概要>


(提供:Kumiai Navigation (Pte) Ltd)


船名CRYSTAL OASIS(IMO番号:9915806)
船種LPG運搬船
カーゴタンク容量84,000cbm
建造造船所川崎重工業株式会社 坂出工場


DBJについて
企業理念「金融力で未来をデザインします~金融フロンティアのたゆまぬ開拓を通じて、お客様及び社会の課題を解決し、日本と世界の持続的発展を実現します~」に基づき、サステナビリティ経営の実現・地域経済の活性化に向けたお客様の取り組みを積極的に支援して参ります。DBJでは第5次中期経営計画(2021年5月20日付「第5次中期経営計画について」参照」参照)において、投融資を通じて持続可能な社会に貢献すべく「GRIT戦略」(注1)を推進することとしています。DBJは、今後も持続可能な社会・地域活性化への貢献に取り組んでまいります。
(注1)G:グリーン社会の実現、R:しなやかで強い安心安全な地域・社会や産業基盤の構築、I:事業化可能と評価できるイノベーションへの取り組み、T:現在の事業基盤を前提とした移行に向けた戦略的取り組み、を表すもので、第5次中期経営計画においてDBJグループが重点的に取り組む分野を表したものです。

一般財団法人日本海事協会について
一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、人命及び財産の安全、環境保全への貢献を使命に、非営利の第三者認証機関として、検査、証明、規則制定、研究開発などを行う船級協会です。
本会は、海上輸送ビジネスに関わるお客様が日々の事業運営においてGHG排出量の計画・管理を行いながらゼロエミッションの追求をしていくための包括的サービスとして、「ClassNKゼロエミッション・サポート・サービス」を展開し、第三者認証機関としての役割を通じ、持続可能な発展への貢献に努めています。

Zero-Emission Accelerating Ship Financeについては、「こちら」をご覧下さい。


お問い合わせ先
株式会社日本政策投資銀行 企業金融第4部 電話番号 03-3244-1993
一般財団法人日本海事協会 企画本部 広報室 電話番号 03-5226-2047

ClassNK - EOD

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