Press Release

標題:
福岡造船に対して、Zero-Emission Accelerating Ship Financeに基づく評価ならびに同社への融資を実施
-国産船舶の低・脱炭素燃料転換に向けた取り組みを支援-

2023年4月7日
株式会社日本政策投資銀行
一般財団法人日本海事協会


株式会社日本政策投資銀行(以下、「DBJ」)及び一般財団法人日本海事協会(以下、「ClassNK」)が共同運用するZero-Emission Accelerating Ship Finance(以下、「本プログラム」)に基づき、ClassNKは、福岡造船株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:田中嘉一、以下「福岡造船」)及び株式会社フェアフィールドジャパン(本社:東京都千代田区、代表取締役:吉居正男、以下「FJL」)が共同開発し、福岡造船が建造、FJLが傭船予定のLNG燃料ケミカルタンカー「FAIRCHEM PIONEER(福岡造船N-2112番船)」(IMO番号:9965552、以下「本船」)に対して評価を実施し、DBJは、福岡造船に対して融資を実施しました。

本プログラムは、環境規制の強化やカーボンプライシングの導入が想定される海運業界において、DBJとClassNKが共同開発した総合スコアリングモデルにより、「脱炭素・環境配慮性能・先進性」という観点でClassNKが船舶の評価を実施し、DBJが投融資を提供することで、海運事業者の脱炭素への移行に資する取り組みをIR面・資金面から支援するものです。

福岡造船は、福岡市及び長崎市に造船工場を有し、ケミカルタンカーの建造に強みを持つ造船会社です。ケミカルタンカーの建造には高い技術力が必要とされ、福岡造船の技術力は国内外の船主から高い評価が得られています。FJLは、米国ケミカル専業オペレーターであるFairfield Chemical Carriers Inc.の日本法人であり、福岡造船と共同で本船の開発を行う等、オペレーションの脱炭素化に向けた先進的な取り組みを進めています。本船は、福岡造船長崎工場で建造され、FJLに引渡し予定の、本邦初となるLNG燃料ケミカルタンカーとなります。

今回の本船評価にあたっては、以下の点を高く評価しました。

(1) LNG燃料化により、二酸化炭素(CO₂)排出量の大幅な削減が可能となっており、国際海事機関(IMO)のエネルギー効率設計指標(EEDI)*フェーズ3を達成する見込みである点

(2) LNG燃料の使用による窒素酸化物(NOx)・硫黄酸化物(SOx)・粒子状物質(PM)の削減を通じて、IMOのNOx3次規制やSOx規制に適合する点

(3) シップリサイクルインベントリの保持(予定)により、解撤時の環境配慮もなされている点



その結果、本船は、本プログラムにおける「脱炭素・環境配慮性能・先進性が高いと評価できる船舶」として、相応の環境関連投資がなされていると認めるA評価を取得しました。
DBJとClassNKは、本プログラムの広がりを通じて、海運事業者の脱炭素への移行に資する取り組みをサポートし、海運業界全体の脱炭素化へ共に歩んで参ります。
*EEDI規制は、新造船を統一の燃費指標で評価し、一定値以下とすることを義務づけるもの。船種毎の規定値が段階的に強化される。

【本船概要】

(提供:福岡造船株式会社)

船名FAIRCHEM PIONEER(福岡造船N-2112番船)
IMO番号9965552
船種ケミカルタンカー
載貨重量トン数約26,300MT
建造造船所福岡造船株式会社 長崎工場


DBJについて
企業理念「金融力で未来をデザインします~金融フロンティアのたゆまぬ開拓を通じて、お客様及び社会の課題を解決し、日本と世界の持続的発展を実現します~」に基づき、サステナビリティ経営の実現・地域経済の活性化に向けたお客様の取り組みを積極的に支援して参ります。DBJでは第5次中期経営計画(2021年5月20日付「第5次中期経営計画について」参照)において、投融資を通じて持続可能な社会に貢献すべく「GRIT戦略」(注1)を推進することとしています。DBJは、今後も持続可能な社会・地域活性化への貢献に取り組んでまいります。
(注1)G:グリーン社会の実現、R:しなやかで強い安心安全な地域・社会や産業基盤の構築、I:事業化可能と評価できるイノベーションへの取り組み、T:現在の事業基盤を前提とした移行に向けた戦略的取り組み、を表すもので、第5次中期経営計画においてDBJグループが重点的に取り組む分野を表したものです。

一般財団法人日本海事協会について
一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、人命及び財産の安全、環境保全への貢献を使命に、非営利の第三者認証機関として、検査、証明、規則制定、研究開発などを行う船級協会です。
本会は、海上輸送ビジネスに関わるお客様が日々の事業運営においてGHG排出量の計画・管理を行いながらゼロエミッションの追求をしていくための包括的サービスとして、「ClassNKゼロエミッション・サポート・サービス」を展開し、第三者認証機関としての役割を通じ、持続可能な発展への貢献に努めています。

Zero-Emission Accelerating Ship Financeについては、こちらをご覧下さい。

【お問い合わせ先】
株式会社日本政策投資銀行 企業金融第4部 電話番号 03-3244-1993
一般財団法人日本海事協会 企画本部 広報室 電話番号 03-5226-2047

ClassNK - EOD

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