Press Release
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川崎重工業、三井E&Sによるアンモニア燃料LPG/アンモニア運搬船にAiPを発行
2025年9月8日
一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、川崎重工業株式会社と株式会社三井E&Sより共同で申請のあったアンモニア燃料LPG/アンモニア運搬船に対し、基本設計承認(AiP)を発行しました。本認証は規則および安全性の観点から本船の実現可能性を確認するものです。
燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないアンモニアは、船舶の脱炭素燃料として活用が期待されており、現在アンモニア燃料船の実用化に向けてさまざまな検討、開発が進められています。
本会は、アンモニアの船舶の燃料としての使用に関する具体的な国際基準が未整備だった2021年に、こうした先進的な取り組みをサポートすべく「代替燃料船ガイドライン」を発行し、アンモニア燃料船に関わる船舶、船員および環境に与えるリスクを最小化するための設備、制御および安全装置等に関する要件を規定しました。また、2024年12月には、本会が日本政府を通じてIMOへ安全要件案を提案していたIMO暫定ガイドライン”Interim Guidelines for the Safety of Ships Using Ammonia as Fuel”がMSC109において採択されました。
本会は本船の設計に対し、「代替燃料船ガイドライン(第3.0版)」のC-2部「アンモニアを燃料として使用する液化ガス運搬船の安全に関する要件(第3.0.2版)」およびC-3部「アンモニア燃料船の機関室に対する追加の安全対策(第3.0.2版)」に基づく審査や、HAZIDによるリスク評価を通じ、所定の要件への適合性を確認したことからAiPを発行しました。
新たな技術開発や社会実装に対し、本会は安全性評価をはじめとした貢献に引き続き努めてまいります。
以上
本船イメージ(提供:川崎重工業株式会社)
基本設計承認(Approval in Principle: AiP)について:
設計初期の段階あるいは特定の実装対象船舶が決定する前の段階で、国際条約や船級規則など既存の規制に基づき、設計を審査し、要件への適合の証明として発行する。後工程における規制面の手戻りの防止や、船級登録時の審査時間の短縮につながるとともに、設計状況の対外的なアピールの技術的根拠として活用することが可能となる。詳細は本会ウェブサイト参照。
【本件に関するお問い合わせ】
一般財団法人日本海事協会 技術本部 技術部
TEL: 03-5226-2042
E-mail: tsd@classnk.or.jp
【報道関係のお問い合わせ】
一般財団法人日本海事協会 営業本部 広報室
〒102-8567 東京都千代田区紀尾井町4-7
TEL: 03-5226-2047 FAX: 03-5226-2039
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