Press Release

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川崎汽船、川崎近海汽船、日本無線、YDKテクノロジーズによる 「統合操船者支援システム」に基本設計承認(AiP)を発行

2023年12月12日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、川崎汽船株式会社、川崎近海汽船株式会社、日本無線株式会社、株式会社YDKテクノロジーズが共同で開発している自動運航システムのコア技術となる「統合操船者支援システム(Advanced Maneuvering Assistant System)」に対し、基本設計承認(AiP)を発行しました。

「統合操船者支援システム」は、監視航路上でOZT*1による他船との衝突危険が予測された場合、避航ルートを自動生成し、避航操船を支援するものです。避航ルートはCOLREGs*2を考慮し、1時間以内に元の航路に戻れる最大2つの避航ルートを提案します。また、選択した避航ルートに対して、Auto PilotやECDIS*3とシステム連携することで、Track Control*4が行われます。

本システムは、公益財団法人日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」の「無人運航船の社会実装に向けた技術開発助成プログラム」において大型RORO船「第二ほくれん丸」を用いて実施された、船上システム単独機能で構成する自動運航システムの海上実証実験に採用されています。

本会は、4社が開発した「統合操船者支援システム」に対し、「自動運航、自律運航に関するガイドライン」に基づく審査を行い、所定の要件への適合を確認したことからAiPを発行しました。

本会は、自動運航、自律運航技術の開発及び実装を安全性確保の観点から支援すべく、様々な実証プロジェクトに関与するとともに、安全基準の確立や情報提供により社会への貢献に努めてまいります。

以上

*1 相手船による航行妨害ゾーン(Obstacle Zone by Target)
*2 海上衝突予防法
*3 電子海図情報表示装置(Electronic Chart Display and Information System)
*4 航行制御


避航ルート提案の様子(提供:日本無線株式会社)


関連プレスリリース:
「自動運航、自律運航に関するガイドライン」を発行
https://www.classnk.or.jp/hp/ja/hp_news.aspx?id=4507&type=press_release&layout=1


ホワイトペーパー「自動運航船の社会実装へ向けて」を公開 ~自動運航船の設計開発・運用のフレームワークを提言~
https://www.classnk.or.jp/hp/ja/hp_news.aspx?id=9762&type=press_release&layout=1

基本設計承認(Approval in Principle: AiP)について:
設計初期の段階あるいは特定の実装対象船舶が決定する前の段階で、国際条約や船級規則など既存の規制に基づき、設計を審査し、要件への適合の証明として発行する。後工程における規制面の手戻りの防止や、船級登録時の審査時間の短縮に繋がるとともに、設計状況の対外的なアピールの技術的根拠として活用することが可能となる。詳細は本会ウェブサイト参照。

ClassNK - EOD

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