混気ジェットを活用したブラスト技術の実用化研究開発
研究実施期間:2009年08月17日 ~ 2010年10月31日
共同研究者
財団法人日本船舶技術研究協会
株式会社アイ・エイチ・アイ・アムテック
シブヤマシナリー株式会社
三上船舶工業株式会社
中国塗料株式会社
内海造船株式会社
研究の概要
造船業におけるブロック2次表面処理工程は、ダスト処理・清掃作業に相当の工数を要し、労働者の作業環境も劣悪となることが知られている。
国内造船業の場合、立地的に手狭で近隣環境への配慮も必要とされるため、作業時の飛散が抑えられ、洗浄と下地処理が同時に行える混気ジェットブラスト装置の実現が期待されている。
さらに、IMO塗装性能基準(PSPC)に混気ジェットブラスト装置にかかる具体的な技術要件が付加されたことで、技術要件に適応させるための基礎的な研究開発が行われてきた。
本プロジェクトでは、実際のブラスト現場で実用可能な能力を有する装置を開発し、このプロト装置を実船ブロックへ適用した。
1. 混気ジェットブラスト装置(プロト装置)の開発
・PSPCに規定される2次表面処理要件を満たす。
・溶接ビード部の表面粗度(30~75μm)、ショッププライマー損傷部はSa 2.5以上
・健全なショッププライマー部(一般部)については、切断時や溶接加工時に付着したヒューム、
白錆、可溶性塩分、その他ごみ等が容易に洗浄可能
・ドライブラストと同等の作業能力を持たせる。
2. 作業手順の確立および普及
開発した装置を造船所で試用しつつ、現場からの意見を反映して装置およびノズル等の必要な改良を行うとともに作業手順を確立した。
また、PSPC対応の準備段階にある中小造船所に対して、現場での公開作業等で技術の普及を図った。
3. 下地処理標本写真(作業用見本)の作成
PSPCの下地処理要件を統一的に適用させるために、作業用見本を作成・配布した。