造船工場の省エネルギー方策の研究開発
研究実施期間:2009年10月01日 ~ 2010年11月30日
共同研究者
社団法人日本中小型造船工業会
株式会社ジャパンテクノメイト
小池酸素工業株式会社
日酸TANAKA株式会社
研究の概要
2008年5月の省エネルギー法改正にともない、エネルギー管理の主体が工場・事業場から企業全体に変更されるなど、年々企業に対して社会的なエネルギー削減の要請が強まっている。
これまで、中小造船所は特定事業者(エネルギーの原油換算値での年間使用量が1,500kl 以上)に該当していなかったが、今後PSPC対応工場の運用などでエネルギー使用量が増加していくことが考えられる。
これらの傾向に先手を打つべく、本プロジェクトでは造船所内の使用電力量に着目し、電力使用量の多い溶接とNC切断の省エネルギー化に取り組み、造船工場のエネルギー使用量を低減することを目的とする。
1. 省エネルギーの観点からの最適溶接法の研究
CO2溶接機(UM、FABを含む)による溶接作業の使用電力量を低減するための実験・解析を行い、省エネルギー効果を試算する。すみ肉溶接および突合せ溶接について、溶接品質を低下させずに、電力・CO2ガスを最小化するような溶接速度・電流値を特定するための実験を行う。
2. 省エネルギーNC切断機の開発と普及
2-1 省エネルギーNCプラズマ切断機の開発
現状の切断速度を維持しつつ、切断電流を下げる省エネルギー型プラズマ切断機を開発する。
2-2 省エネルギーNCレーザ切断機のソフトウェア開発
レーザ切断機の切断時以外のレーザ発振器の消費電力を削減するためのソフトウェアを開発する。
2-3 省エネルギーNC切断機の普及
造船所に対して、省エネルギーNC切断機のデモを公開し、普及を図る。
3. 省エネルギー効果検証のための試計算
省エネルギー効果を検証するため、電力使用量実績を基に試計算を行い、電力削減効果量を算出する。
4. 報告書の作成
上記結果をまとめた「造船工場の省エネルギーの手引き(電力編)」を作成し、造船所に配布し、普及を図る。