その他研究開発(共同研究等)

3 次元レーザースキャナーによる舶用分野での有効利用モデルの研究

研究実施期間:2011年03月11日 ~ 2012年01月10日

共同研究者

株式会社エス・イー・エー創研
国立大学法人東京大学
日本郵船株式会社
株式会社商船三井
川崎汽船株式会社
佐世保重工業株式会社
株式会社三和ドック
株式会社MTI

研究の概要

 21世紀以降、船舶の設計ツールは2次元CADから3次元CADへ移行している。
3次元CADを用いて作成された3次元CADモデルは、いわゆる「Product Model」であり、単なる「設計図」ではなく、「様々な設計・生産情報を持つ機器部品モデルからなるバーチャル船舶モデル」と言える。 そのため、3次元CADモデルは就航後の船主や運航者、船級協会、舶用機器メーカーを含む関連業界でも広く役立つことが期待される。 国内では、大手造船所を中心に生産設計分野が先行して3次元CADの利用を進めているが、遠からず設計全体および業界全体での利用が想定される。
 2010年の調査研究においてLife Cycle Supportの観点から3次元CADデータ利用は高く期待されていた。 特に今後2次元図面を十分理解できる熟練技術者が減少する状況で、船舶の安全な運航と競争力を向上させていくため、3次元CADデータの利用は重要な要素の一つであることが確認された。 ただし、現時点で造船所作成の3次元CADデータを入手・利用することが難しい状況であることも確認された。 一方、3次元レーザースキャナーを使った3次元CAD Reverse Engineeringの進化はLife Cycle Supportにおける3次元CAD利用の様々な実用展開が可能であることも確認できた。
 このような検証結果を踏まえ、日本の船会社、船級協会、修理ヤードなどの船舶業界が他国に先駆け、3次元レーザースキャナーによる舶用分野での有効利用ビジネスモデル研究を行うことを、本年の調査研究の事業目的とする。

1. スキャニングデータ利用による船舶補修・検査工事などの競争力向上化モデル調査
 活用効果が期待できるターゲット項目の調査/取り組み方案の策定/など

2. スキャニングデータ利用促進のための3次元CAD化処理システムの実用化
 スキャニングで得られる点群データを3次元CADデータに迅速変換可能なシステムの開発

3. スキャニングデータ活用型のメンテナンスビジネスモデルの開発
 スキャニングデータをデータベース化し、Life Cycle Supportに関わる様々な修理業務に活用していく新しい船舶メンテナンスビジネスモデルの開発

4. 船舶大型改造・修理工事の工期短縮・費用削減手法の開発
 例えば、数年後に工事輻輳が予想されるバラスト水処理装置工事を3次元レーザースキャナーReverse Engineering手法で大幅工期短縮・費用削減可能な手法の確立

5. 就航船のTank、Hold等、検査業務のレーザースキャナー利用モデルの実現

研究成果報告書

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