その他研究開発(共同研究等)

PCTCに於ける SOx対策用 排ガス全量スクラバーの採算性の検討

研究実施期間:2011年10月01日 ~ 2012年03月31日

共同研究者

三菱重工業株式会社
株式会社MTI
三菱化工機株式会社
日本郵船株式会社

研究の概要

 2008年4月のIMO MEPC57においてグローバル海域で使用する燃料油中の硫黄分は、2012年1月より3.5%以下、2020年1月より0.5%以下とし、SECA海域では2010年7月より1.0%以下、2015年1月より0.1%以下にする事が決定されており、欧州ポートなどの地域規則では既に0.1%の低硫黄燃料の使用が法制化されている。 SOx規制に対しては、使用する燃料油の硫黄分を抑制するしか方法はなかったが、将来の低硫黄燃料油の安定供給及び価格高騰の問題が予想される。
 一方、SOx低減方法には海水もしくは清水で排ガスを洗浄するスクラバー方式があり、2009年7月のMEPC184(59)排ガススクラバーの性能、要件、承認手続きに関するIMOのガイドラインが採択され、これら要件を満たす排ガススクラバーを搭載した船舶は、高価な低硫黄燃料を使用する必要が無くなる。 スクラバーを搭載すると、初期投資の増加、消費電力増、積荷の減少等の問題はあるが、それをカバーして余りある燃料費用の削減のメリットが期待しうる。
 排ガススクラバーの技術は、タンカーで補助ボイラからの排ガスを洗浄し不活性ガスを得るIGS装置で確立されている。しかし、SOx対策としての、装置のコンパクト化、清水洗浄水の中和・Closed Cycle技術、洗浄水を排出する際の油分・固形物の除去技術、本体の排ガスのドラフトロス低減などが、SOx対策用排ガススクラバーの設計ポイントとなる。
 今回の研究では、国内初の例となるPCTCへの搭載の試設計を実施し、技術的検討と経済性の確認を実施する事を目的とする。経済性をより明確に示すために、燃料代のメリットだけでなく追設機器による自動車搭載台数の減、重量・重心変化による積付け台数・載荷重量の変化、スクラバー洗浄水の中和費用、補機による電力消費量と燃費増などを検討の対象とする。また、初期投資に関しては、新造と改造の両ケースを検討する。

1. 排ガススクラバー本体・後処理装置の基本設計

2. 本船配置検討・付帯設備検討・見積

3. 船主検討

研究成果報告書

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