その他研究開発(共同研究等)

LNG燃料外航船の実用化に向けた調査研究

研究実施期間:2012年02月10日 ~ 2012年07月31日

共同研究者

株式会社日本海洋科学

研究の概要

 地球温暖化に対する意識が世界的に高まる中で、船舶についても温室効果ガス(GHG)の排出量削減が求められている。 その対策の一案として燃料を従来の重油から天然ガス(LNG)に転換することが検討されているものの、舶用燃料のLNG化は、船体構造、燃料のサプライチェーン、本船および補給船の運用、各種基準・法制度を現状重油燃料船から抜本的に改革する必要があることから、これが産業界に与えるインパクトは計り知れない。
 すでに北欧諸国においては、船種船型が限定されるものの20隻以上のLNG燃料船が運航されている。 一方で、大型外航船の燃料LNG化については、搭載する舶用機器の種類増加や大型化の外、LNGの補給地および補給方法などがボトルネックとなっており、実用化には至っていない。 特に、運用上の経済性が不透明であるとともに、船舶構造や舶用機器などのハード面と燃料供給や船員教育などのソフト面における安全にかかる国際基準が未整備であることも導入の障害となっている。
 このような背景の下、国際基準策定の場においては、実用化に向けた具体的な道程が明確化されていることが重要となり、また、大型外航船の燃料LNG化を実現することができれば、ハード・ソフト両面において我が国関連企業の国際競争力強化が期待されることから、世界に先駆けて実現することが望まれる。
 以上より、本事業においては、平成24年度に海事局の下で実施される事業を念頭に、LNGを燃料とした大型外航船の実用化・導入を促進するための環境整備に向け、今後、詳細な検討が成される上で課題と成り得る事項を精査することを目的に調査研究を実施する。 具体的には以下の3項目について重点的に調査研究を実施することとする。

1. 舶用燃料LNG化に必要となる機器の現状および開発動向に係る調査(国内)

2. 世界のLNG基地におけるLNG供給に係る調査(国内・海外)

3. LNGの補給方法に関する現状と今後の課題に関する調査

研究成果報告書

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