有機ケミカルハイドライド法を利用した水素燃料船の検討
研究実施期間:2012年05月01日 ~ 2012年07月31日
共同研究者
三菱重工業株式会社
株式会社MTI
千代田化工建設株式会社
研究の概要
CO2排出を削減する究極の燃料として水素が注目されている。
しかし、水素を燃料とするには、その貯蔵方法が大きな課題となる。
水素を貯蔵する方法としては、液化貯蔵の場合は、液化の為のエネルギーと極低温での貯蔵がネックとなり、圧縮貯蔵の場合は、圧縮のエネルギーと高圧での貯蔵がネックとなる。
水素を常温・常圧の状態で、貯蔵密度を高く貯蔵する方法として、有機ケミカルハイドライド法がある。
有機ケミカルハイドライド法は、トルエンなどの芳香族化合物の水素化反応により、メチルシクロヘキサン(MCH)などの環式有機化合物として水素を固定し、常温・常圧の液体状態で貯蔵輸送を行い、脱水素反応で水素を取り出して利用する方法である。
本研究では、有機ケミカルハイドライド法を利用して、船上でMCHから水素を取り出し、その水素を推進用の燃料として使用する検討を行い、検討プラントの概略燃費効率を算出することを目的とする。
1. 水素装置検討
MCHから脱水素を行う反応装置を検討する。
2. 水素エンジン/ボイラー・タービンプラントによる推進プラント検討
脱水素に必要な熱量を考慮して、推進プラントの熱収支計算を実施し、プラントとしての効率を検討する。また、排ガスに含まれるNOxに関しても検討を行う。
3. 燃料電池による推進プラント検討
脱水素に必要な熱量を考慮して、燃料電池推進プラントの熱収支計算を実施し、プラントとしての効率を検討する。また、排ガスに含まれるNOxに関しても検討を行う。
4. 今後の検討項目の抽出
有機ケミカルハイドライド法を用いた水素燃料船実現のため、今後の検討項目の抽出を実施する。
5. 評価
技術的・経済的な評価を行い、水素燃料船の成立性を検討する。