その他研究開発(共同研究等)

耐熱無線通信タグの実用化に関する研究

研究実施期間:2012年04月13日 ~ 2012年09月30日

共同研究者

株式会社新来島どっく

研究の概要

 船舶のパイプは、一隻でおよそ6,000~10,000本にもおよび、印字やバーコードによる判別が困難なため、作業者が寸法などを手がかりに手作業で仕分けを行なっている。 この作業が煩雑なこと、仕分けに広い作業場所が必要なこと、人為的なミスが発生することが建造作業の効率を妨げている。
 このパイプ判別作業へ無線通信タグ(以下RFID)を用いることで船舶建造作業の効率化を達成するため、特にパイプ加工処理の溶融亜鉛めっき下(温度環境:450℃)においても使用可能な耐熱性を持ったRFIDの研究開発を2010年度に共同研究として取組んだ。
 2010年度の研究の成果として、真空ガラス技術を利用したRFIDを作成することで溶融亜鉛めっき下での高温状態に耐えうることが確認できた。 また、2011年度には、RFIDのパイプへの取付方法や情報の読書きの方法等を研究し、建造現場で利用可能なシステム全体として研究を行った。 しかし、適用試験で金属ケースごと破損しているRFIDが確認された。 これは工場間を輸送する際の衝撃によると思われ、今後の実用化を考えると一層の耐久性の向上を図らねばならない。
 そこで、本研究ではこのRFIDの耐久性を向上させ、実用性を高めることを目的とする。 量産型試作品を製作し、建造現場での数サイクルの適用試験を実施する。 目的を達成する実用的なRFIDを開発することで、将来的には物流管理だけではなく、工程管理や船舶の保守といった課題にもRFIDの利用が期待できる。

1. 現在、開発したRFIDと保護ケースを基に耐久性向上を図る。

2. 生産性の観点からRFIDと保護ケースの最適化を図る。

3. RFIDと保護ケースの量産型の試作品を製作する。

4. 量産試作したRFIDと保護ケースを用いて、建造現場においての数サイクルの適用試験を実施する。取付や仕分、輸送といった一連の作業を対象とし、耐久性を確認する。

5. 開発したRFIDと保護ケースに対して各種工業試験を行い、定量的に性能を把握する。

研究成果報告書

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