2サイクルエンジンランタンリーク油リサイクルに関する研究開発
研究実施期間:2011年10月17日 ~ 2012年10月16日
共同研究者
株式会社住本科学研究所
安芸海運株式会社
三菱重工業株式会社
研究の概要
現在、2サイクルエンジンランタンリーク油は、遠心清浄分離機で清浄してメインエンジンのシステム油中に混入されている。
このシステムでは、主機LOの粘度およびTBNは上昇し、ドック時などに粘度調整をするため、多量の廃油を排出させざるをえない。
その上、シリンダーオイルには多量の添加剤が含まれているため、時間の経過とともに遠心清浄分離機での清浄効果は次第に低下する。
一方、4サイクルエンジンでは、RORO船ひまわり5号にてネフロンフィルターを活用した実験を行い、LOの廃油化防止に成功している。本研究では、2サイクルエンジンの上記不具合を解消するため、ひまわり5号を実験船とし、2サイクルエンジンにおけるランタンリーク油をシリンダー油として再利用するためのリサイクル技術を確立することを目的とする。
1. 陸上実験
リサイクル装置の実験機を使用し、船舶より陸揚げしたランタンリーク油200Lに再生処理を施し、分析検討し、実機製作に活かす。
2. 分析
ランタンリーク油に再生処理を施したシリンダー油と新シリンダー油をブレンドしたものおよび新油の粘度とTBNをそれぞれ分析・比較し、前者の使用に問題がないことを確認する。
3. 実船実験
ひまわり5号を実験船とし、再生処理を施したシリンダー油の使用に問題ないことを確認する。また、このシリンダー油がシリンダーライナーやピストンリングの耐磨耗性において新油と同等であるかを比較検討する。
また、ドック時に粘度調整する際の新油投入量の減少量を計測する。