小型FLNG(Floating LNG)に関する研究開発
研究実施期間:2011年09月10日 ~ 2012年10月31日
共同研究者
三井海洋開発株式会社
研究の概要
世界の未開発のガス田の多くは陸地から離れた海洋にあり、かつ1TCF(Trillion Cubic Feet)以下の小規模のものが多く、経済的な開発手法がないため、手がつけられず放置されたままになっている。
すなわち、海洋のガス田の開発になると一般に大規模、中規模のガス田を対象に、長さ400mを超す超大型の船体に陸上用の処理量2.5~5mtpa(million ton per annum)程度のLNGプラントを載せたような大型のFLNGの計画が多い。
しかし、小規模ガス田の開発のためにそのようなFLNGを単純に小型化しても、やはり経済的には成り立たない。
本事業は、そのような数は多いが開発対象になりにくい小規模ガス田の開発が経済的に成立するような、安全かつ効率の高いFLNGの開発を目指す。
また日本の海洋開発、造船、プラント関連企業が事業を実施することにより、日本の海洋開発の発展に寄与すると考えられる。
開発の対象となるFLNGの特徴は以下のようになる。
・多くの造船所が工事可能なように既存船の改造をベースとする。
・マリーンスタンダードを出来るだけ適用させる。
・船体が許容する最大の処理能力を持つLNGプラントを搭載する。
・冷媒に不活性な窒素を使用したN2Expander方式を採用し安全性を向上させる。
・発電機の排熱を利用し、臭化リチウムを用いた吸収式冷凍装置を導入し天然ガス及び冷媒の予冷、
ガスタービンの取り入れ空気の冷却を行い、一般的に安全であるが効率は良くないと言われている
N2Expanderを使用したプラントの安全と高効率を両立させる。
・コンプレッサーの駆動装置として電動モーターあるいはガスタービンの直接駆動を比較検討し、
システム、保守の簡略化を図るとともに、プラント全体の稼働率を向上させる。