その他研究開発(共同研究等)

ガス噴射式低速機関へのガス燃料供給システムの安全性の立証と向上の研究

研究実施期間:2012年07月27日 ~ 2013年02月28日

共同研究者

三井造船株式会社

研究の概要

 LNG船が世界に登場して50年になろうとしているが、カーゴタンクから発生するボイルオフガス(BOG)をボイラで処理することによる妥当性から、これまでは、蒸気タービン機関による推進システムが主流であった。しかし、従来型蒸気タービン機関では効率に限界があり、低燃費、環境負荷の低い推進システムが市場から求められた結果、予混合式ガス焚き中速機関による電気推進システム(DFDE)、再液化装置を搭載し、推進には通常の商船で主流の重油焚き低速機関を採用した推進システム(D+RL)、蒸気の高温・高圧化と再熱サイクルの採用によりプラント効率を改善した再熱蒸気タービン推進システムなどが代替推進プラントとして提案・開発され、次々と実用化に至っている。
 三井造船においては、1994年に将来のLNG船にガス噴射式低速機関を搭載することを目的として、フルスケールのガス噴射式低速機関を採用した40MWの発電設備を千葉事業所内に建設し、2003年までに延べ20,000時間に及ぶ実証研究を重ねるなどの取り組みを行ってきた。ガス噴射式低速機関は、高い熱効率やほとんどの構成部品が通常商船で充分に実績のある重油焚き低速機関と高い共通性があること(保守やメンテナンスの大部分が通常の油焚き低速機関と同様であることを意味する)、あるいは重油とガス燃料の混焼割合の自由度が高いことが特徴であるが、1.高いガス燃料供給圧力(300bar)による安全不安、2.各種運転モードでの安定確認、3.制御システム故障時の燃料供給システムの挙動予想等の課題が残されている。
 本事業においては、ガス噴射式低速機関を採用した場合の燃料供給システムのリスクの抽出を実施した上で必要な安全対策を検討し、ガス噴射式低速機関プラントの安全性の立証と向上を目的とする。

1. 初期検討
 本事業の検討の対象となるLNG船の仕様を初期検討して設定、主要な図面を作成・準備する。

2. 問題点や危険性の抽出
 配置図、系統図といった主要図面を前に事前検討した疑問点などにつき参加者全員によるフリーディスカッション方式でできるだけ多くの質問を投げかけて抽出する。

3. 原因分析と対策の検討
 2.の抽出結果を基にそれぞれについて原因を分析あるいは考察した上で対策を検討し、検討結果は参加者全員に提示し妥当性について確認する。

研究成果報告書

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