その他研究開発(共同研究等)

氷海域対応OSVの設計に関する調査研究

研究実施期間:2011年07月15日 ~ 2013年03月29日

共同研究者

ユニバーサル造船株式会社

研究の概要

 海洋油ガス田開発は中水深から大水深へと拡張され、さらにはサハリンや北極海の開発も活発化してきた。北極圏では世界の未発見石油・天然ガスの22%が存在し、その84%が北極海に存在すると言われている。北極域の海氷の分布や氷状は、海域や季節によって大きく異なる。北極海の資源開発は、主としてロシア、カナダ、アラスカの沿海域で進められているが、それら沿海域の大半は夏期の数ヶ月を除き結氷し、冬期には沿岸で定着氷が発達する。
 これら極域における油ガス生産・掘削プラットフォームや海上ターミナルを支援するOSV(オフショア支援船、Offshore Support Vessel)には、氷海という厳しい環境条件に対応するための砕氷性能、耐氷構造、低温対策や、高い安全性、冗長性が要求される。また、設備周辺の海氷の排除や輸送船のアクセス水路の確保など、通常海域対応のOSVには見られない特殊なオペレーションが付加される。
 氷海域対応OSVの開発、コンセプトはフィンランドなど主に欧州を中心に発展してきている。わが国においては、近年の諸要求に適合した中水深、大水深対応のOSVの建造が行なわれつつあるが、極域対応のOSVの建造は皆無に等しく、船型、推進システムの考え方など、対応のための設計技術が十分とは言えないのが現状である。
 このような現状を踏まえ、本研究においては、氷海域対応OSVをわが国の造船技術を活かして設計していくための技術整備・補充の一環として、今後の設計に活用し得る資料を作成することを目的とする。

1. 北極域資源開発海域の環境条件の調査

2. 氷海オペレーションの調査

3. 要求性能の調査

4. 船型に関する検討
 4-1. 船型試開発
 4-2. 氷海水槽試験による氷中抵抗の評価

5. 推進器様式に関する検討と所要出力の評価
 5-1 .推進器様式と配置の検討
 5-2 .氷海水槽試験による推進性能の評価

6.氷海特殊オペレーション対応性能の評価

研究成果報告書

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