その他研究開発(共同研究等)

舶用環境対応のリチウムイオン組電池モジュールの安全性確保に関する研究開発

研究実施期間:2011年08月01日 ~ 2013年07月31日

共同研究者

独立行政法人海上技術安全研究所
渦潮電機株式会社

研究の概要

 地球温暖化に代表される環境問題、また燃料費高騰などの経済的事情に伴い、エネルギーの効率的活用が求められている。その中で、充放電を通じて電気エネルギーを安定供給でき、自然エネルギーの利活用とも相性のよい二次電池、なかでも体積エネルギー密度の高いリチウムイオン電池の注目が高まっている。一方で、リチウムイオン電池は温度や電圧に対して敏感で、その常用領域と危険領域が非常に接近しているため、爆発や発火などの事故もしばしば報告されている。
 そこで、リチウムイオン電池セルについて舶用品に求められる以下の課題を解決する技術を開発し、我が国造船技術の向上および海事産業の発展に寄与することを目的とする。
・衝撃や振動などの物理的影響、自己発熱や雰囲気温度、電圧変動などの環境的影響から保護する
・貨物船内などの劣悪な環境下にあっても、舶用リチウムイオン電池モジュールを長期間、安全に利用できる

1. リチウムイオン電池セルの安全性

1-1. リチウムイオン電池セルの構成を詳細に調査しFMEA解析を行う。
1-2. 充放電条件および周囲温度条件等による発熱(熱暴走)・容器破損にいたる基礎実験を行い、排出ガス等についても解析し、安全利用・選定のための知見を得る。

2. リチウムイオン電池モジュールの安全性

2-1. 既存のバッテリマネジメントユニット(BMU)の構成等を調査し、安全性を判断するための知見を得る。
2-2. 電池モジュールまたはシステムの船舶仕様(防火、防爆、塩害等)について検討・検証する。

3. リチウムイオン電池の安全利用技術

3-1. リチウムイオン電池を船舶に適用する際の接続方法および安全性確保のための利用方法について技術資料を取りまとめる。
3-2. 船舶で使用する際の充放電装置まで含めた全体システムのFMEA解析を行い、安全回路設計技術および安全対策についての知見を構築する。

研究成果報告書

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